遺跡出現までの10日間【3日目】 その5
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「30」
「32」
「40」
「42」
「45」
ドンドン手が上がっていく。どこかで45という声がしたかと思うとぴったりと手が上がらなくなる。
「あと金貨は何枚ある?」
セルバーニが隣に立っている兵士に自分の金貨の枚数を聞く。
「88枚であります」
「ふむ、そうか。では88枚。ヂュフフフフ」
「!?」
セルバーニがそのまんまるな顔を満面の笑みにし立ち上がった。パンダの耳の少女の表情が恐怖に歪む。肩はぶるぶると震え立っているのがやっとの状態に見えた。
「はい、ただ今セルバーニ様の金貨88枚でございます! これ以上出せる方はいらっしゃいませんかぁ?」
「おいおい、冗談だろ……」
「あぁ……普通子供の奴隷は高くても金貨30枚だぞ……」
「正気じゃねえなぁ……」
燕尾服を着たエルフのはずんだ声に周りの金持ちエルフたちはヒソヒソ声を上げる。
「いらっしゃいませんねー、ではセルバーニ様の88ま――――――――――」
「ちょおおおっとまったあああああああああああああああああああああああ」
え、ちょっと何してるんだ僕……。大声を上げながら僕は木箱で作られたステージへ向かって走っていた。
「おやおや、どうされましたか?」
おどけた表情で燕尾服を着たエルフが僕の顔を覗き込む。
「ひゃ……100枚」
気づいたら声が出ていた。燕尾服を着たエルフの表情がこれでもかというぐらいの笑みに染まる。
「はい! 100枚が出ました!! これ以上の値段が出せる方はいらっしゃいますか?」
「ちょ、ちょっとまてえええ!」
油汗をダラダラと掻きながらセルバーニがステージ前に走り寄ってくる。
「こ、こんな若造が金貨を100枚も出せるわけないだろう!!」
「? 出せますけど?」
僕は自分のポーチの中から金貨を100枚数え取り出すと燕尾服のエルフの手に握らせた。
「ほぅ、確かに100枚ありますね。セルバーニ様いかがされます?」
燕尾服のエルフの質問にセルバーニは顔を真っ赤にする。
「ちくしょうがあああああああああああああ覚えておけよ貴様絶対に許さないからな!」
「ハッ。そんな醜い顔忘れたくても忘れれませんよ、少し痩せたほうがいいのでは?」
少し気が立っていた僕はニッコリと笑みを浮かべて挑発する。
「むきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい絶対許さんぞ貴様ああああああああああ!!!」
セルバーニは顔を梅干しみたいに真っ赤にさせると乱暴に鎖を引っ張りながら去っていった。私兵と思われる兵士たちも慌てた様子で後をついて行く。
「あらぁ、セルバーニ様にケンカを売
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