遺跡出現までの10日間【3日目】 その5
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提示した額の約2倍の値段を提示したエルフが気持ちの悪い声を出しながらでかい腹をゆすりながらステージの前に立つ。途端に少女の顔に絶望の表情が現れた。
「うーむ、いい声で泣きそうだ……ゲヒヒヒヒ」
歪んだ笑みを浮かべながらブクブクに太ったエルフは顔を近づけ、ウサ耳の少女を舐めまわすように見る。
「セルバーニ様、お手を失礼します」
「おう、早くしろ奴隷商」
セルバーニと呼ばれたブクブクに太ったエルフは燕尾服を着たエルフに向かって乱暴に脂肪がつきまくった右腕を突き出す。
「おい……またあいつか……」
「全くだ……いい趣味してやがるぜ…………」
「何人買ったんだ?」
「あれで7人目だ……」
他の金持ちエルフたちのヒソヒソ話に耳を傾けるとあまり芳しくない内容が耳に入ってくる。セルバーニと呼ばれていた太ったエルフの左手には7本の鎖が握られておりその先には7人の獣人の女の子たちが泣きそうな表情で立っていた。
「あのぉ〜」
「ん?」
今の光景を嫌なものを見ているような顔で見ていた黒縁メガネをかけた一人の金持ちエルフに声を掛ける。
「あの人ってあんまりいい目で見られてないんですか?」
「いい目も何も……あいつ、セルバーニは女の獣人を買えるだけ買って家で傷めつけたりするのが趣味のクソ野郎だ。あいつに買われた奴隷は可哀想だよ……おそらく1か月も持たないだろうな……」
僕の質問に黒縁メガネをかけたエルフは声を潜めて答えてくれた。
「そうなんですか………」
あまりにも酷過ぎる情報に僕は顔をしかめる。
「はい、ありがとうございましたー。ではでは本日最後の商品、ナンバー77番の登場にございます! 」
僕達が話している最中に取引は終わったらしくセルバーニは満足そうな表情で元の位置に戻っていく。セルバーニが戻った場所には複数の兵士が立っており彼の身分がそこそこ高いことが窺えた。
「「「「「「「「「「「「「「「おぉ……」」」」」」」」」」」」」」」」」」
僕がセルバーニに注目していると静かな歓声が上がる。ステージを見てみるとそこには白黒の髪を腰辺りにまで伸ばした10歳ぐらいの女の子が立っていた。パンダの耳見たいな耳を生やしており顔は小顔でとても、いやかなり可愛い部類に入るだろう。今は顔がところどころススで汚れているからおめかししたらもっと可愛いんじゃないだろうか。パンダの耳を生やした少女は先程の子供たちと同じように怯えた表情で周りをキョロキョロと見渡す。
「開始金額は金貨10枚! ではスタートです!」
燕尾服を着たエルフが楽しそうな表情で競りを開始する。
「10」
「15」
「20」
「25」
「27」
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