第二十四話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
味も無いよ? 罵られたいのは政宗様限定だから。
きっと政宗様以外に罵られたら、多分マジギレして殴り倒しに行くと思う。
いや、重力でぺしゃんこにしちゃうかもしれないわね。
「姉上」
怯えていた小十郎にしっかりと抱きしめられて、私がいつもやっているやり方とは違って優しく髪を撫でてくれた。
普通ならこれで落ち着くところなんだけど、何か微妙に手馴れたその撫で方に、私は一つの疑問を持つ。
「……小十郎、妙に手馴れてない?」
その言葉に髪を撫でる手が止まる。顔を見てやれば、気まずそうに顔を背けている。
なるほど、惚れた女はいても遊ぶ事は出来ますか。なるほどなるほど。この下種野郎め。
「……これだから男って奴ぁ……」
私のこの呟きに、小十郎が流石に勘付いて必死になって言い訳をしてくる。
「ち、違います。断じて女遊びをしていたわけでは」
「じゃあ何だってこんなに手馴れてんのよ。こういうのはやってなきゃ上手く出来ないんだから」
それでも答えられずに困っている小十郎は、こういうことを何処かの女とやっていましたよ、と証明しているようなものだ。
兄弟だから男女の仲になる気はないけどもさ、好きだって言って人の前で泣き腫らした人間が、
他の女と遊んでたってのは……正直ムカつく。
どんだけ離れてる間心配したか……本当、心配なんかしなきゃ良かった。
「別にいいわよ。私はアンタの女じゃないし、いくら姉だからって弟の行動にまで干渉する権利はないもの。
寧ろ女遊びくらい出来なきゃ男として問題だし」
「……姉上の想像するようなことは一切ございません。
あまりこうは言いたくないのですが、小十郎がそこまで器用に立ち回れるとお思いですか」
言われてみればそんな器用な事が出来る子ではないか。
幸村君ほどではないけど、思い込んだら一直線ってところはあるしなぁ。
恋愛なんか不得手そうだし、仕事は器用にこなすけど人間関係器用ってわけでもないし、
あっちもこっちも、なんてことが出来るとは到底……じゃ、誰にやってたっての?
流石に天性の才能、ってわけじゃないでしょ。
「なら誰に」
尋ねてみれば、小十郎は少しばかり渋い顔を見せてやっていた相手の名を告げてくれる。
「……御幼少の頃からある程度の年齢まで政宗様に」
ああ、あの馬鹿主に……って、あの政宗様が!? そんなこと小十郎にさせてたっての!?
「何、その笑い話。子供の頃から可愛げの一つも無かったじゃないの」
「それは……子供ながらに好きな女の前では格好良く振舞いたいという思いがあったのでしょう。
些か間違った方向に進んでいるとは思いますが」
確かにそれは言えてる。格好良く振舞お
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ