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遺跡出現までの10日間【3日目】 その3
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ルテインは言った。

『我が主の復讐を』



 ☆ ☆ ☆


「ッ!?」

 少年の意識が覚醒する。夢だったのかと思うが今まではなかった背中にある重み、全身の血が現実の出来事だということを思い知らせてくる。

「………」

 辺りを見回すとどうやら城下町にいるらしい。

『驚いたかしら? 私の能力だから安心してね』

「………お前の能力?」

『あ、やっと私に興味を持ったみたいね我が主は』

 自分に興味を持ってもらったことがよほどうれしかったのかミストルテインは少年の頭の中で声を弾ませる。

『私は空間転移ができるのよ、我が主。私に銘じてくれればどこへでも転送してあげるわ。ま、それなりの魔力はいただくけどね』

「……そうかい……」

 抑揚のない声で少年はミストルテインの言葉に反応する。先ほどの戦いの直前に見られた瞳に移った生気はなかった。少し心が落ち着いたからなのか瞳がジワリと熱くなる。すると―――――――

「あ、あの――――――――」

「!?」

 突然後ろから声を掛けられる。少年は驚いて飛び上がりながら後ろを見ると茶色の髪をポニーテールにした少女が立っていた。

「大丈夫ですか?」

 この少年がのちに聖騎士(パラディン)となることなど少女が知るはずもなかった。


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