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異世界を拳で頑張って救っていきます!!!
遺跡出現までの10日間【2日目】 その6
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アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」


 ひたすら、ただひたすら殴り続ける。ガントレットと奴の胸や顔面の金属がぶつかる。

 顔が、表情が歪む――――――――いやこれは…………………………ワラッテ………ル?

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


 薄暗い部屋にバキンバキンと金属同士がぶつかる音と奇怪な笑い声が響き渡った。




 ☆ ☆ ☆

「ッ!?」

 気づいたら馬鹿でかい木、第一遺跡『マダー』が目の前にあった。

 あれ………僕はどうやって外に……。

 痛む体を無理やり起こすと僕の周りには沢山のエルフたちがいた。所属しているギルドが全く違うであろうエルフたち。しかし皆、泣いていた。服が血で汚れていない者はいない。片腕を失っている者や目を潰されている者など負傷している人たちもたくさんいた。

「グギョ………」

 心配そうな鳴き声を出しながらオウムがこちらへ近づいてきた。

「生きてたのか……」

 僕は何故かホッとしてオウムの頭をなでる。しかしあの記憶が脳裏に浮かんできた。ギルドの皆、ライトさん、ローラさん……………………。

「ううぅ………」

 ふいに視界が歪む、胸が苦しくなる。胸が強烈な痛みを発する。

「ウッ……グ……ァァ……」

 胸にある痛みを少しでも和らげようと叫ぼうとするが……声が出ない。嗚咽が止まらない。

 僕は、泣いていた。

 この世界に来て、始めて泣いていた。


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