月光校庭のエクスカリバー
彼は至った×真実からの極秘事項発言
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・聖剣・悪魔・堕天使という状態だった。木場は彼らを見つめ、懐かしそうで哀しそうな表情を浮かべた。
「皆!僕は・・・・僕は!」
俺にも分かるぜ木場。少年少女達は、かつて聖剣計画の被験者達であり処分された者達。
「・・・・ずっと・・・・ずっと、思っていたんだ。僕が、僕だけが生きていいのかって・・・・僕よりも夢を持った子がいた。僕よりも生きたかった子がいた。僕だけが平和な暮らしを過ごしていいのかって・・・・」
霊魂の少年の一人が微笑みながら、木場に何か言っている。画面越しだから、何を言ってるか分からないが口をパクパクしている。だが何となく分かった。すると朱乃が代わりに話し始めた。
「・・・・『自分達の事はもういい。君だけでも生きてくれ』彼らはそう言ったのです」
それが伝わったのか、木場は双眸から涙が溢れていく。魂だけの少年少女達が、口をパクパクとリズミカルに同調していたがこれは聖歌か!彼らは聖歌を歌っている・・・・木場も涙を流しながら、聖歌を口ずさんでいた。
それは彼らが、辛い人体実験の中で唯一希望と夢を保つ為に手に入れた物。それは過酷な生活で、唯一知った生きる糧となってそれを歌う彼らと木場は、まるで幼い子供のように無垢な笑顔で包まれていた。彼らの魂が青白い輝きを放ち出したが、その光が木場を中心に眩しくなっていく。
『僕らは、一人ではダメだった・・・・』
『私達は聖剣を扱える因子が足りなかった。けど・・・・』
『皆が集まれば、きっと大丈夫・・・・』
彼らの声が、スピーカー越しに伝わってくる。本来聖歌は、悪魔にとって苦痛になるものだ。現在あの校庭には、様々な力が入り乱れている特殊な力場の所為なのだろう。だけど木場やリアス達は苦しみがっていない事で、寧ろ温かさを感じるようになっていた。友を、同志を想う温かいものだ。俺の目からも涙が自然と出ていた。
『聖剣を受け入れるんだ・・・・』
『怖く何てない・・・・』
『例え、神がいなくても・・・・』
『神が見ていなくても・・・・』
『僕達の心はいつだって・・・・』
「・・・・一つだ」
彼らの魂が天に昇り、一つの大きな光となって木場の元へ降りてくる。優しく神々しい光が、木場を包み込んだ瞬間俺は思った。木場は至ったなと。
『相棒、あの「騎士」は至ったな』
『ああ、本来神器とは所有者の想いを糧に変化と進化をしながら強くなっていく。それとは別の領域がある。所有者の願いが、この世界に漂う「流れ」に逆らう程の劇的な転じ方をした時、神器は至る。それこそが・・・・禁手(バランス・ブレイカー)だ』
俺とドライグが声を重ねて言った時、闇夜の天を裂く光が木場を祝福しているかのように見えた。
木場side
・・・・た
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