暁 〜小説投稿サイト〜
ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
姿が同じ敵の登場は定番
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【今はここから引いた方がいい!同族の僕から見ても気が立ってる。話し合いの余地もなさそうだし……女の子の声は気がかりだけど、逃げるんだ!】

 それもそうか……しかし、もしその女の子に万が一のことがあったら……と思うとなかなか決断できない。
 考えつつ俺は視線を上にあげる。

 う、うわぁあ。これは……うわぁあ。

「おいフライゴン」
「フラッ?」
「お前の同族さん、ヤる気っぽいよ」


 俺たちが入ってきた穴は既にナックラーでびっしり埋め尽くされ、完全に塞がれてしまっていた。


 これは……詰んだ?などと軽い気持ちでナックラーを見ていた、その時だった。

「フゥゥゥゥライゴォォオォォン!!!」
「うわっ、ちょ!待てや!」

 超高速で巨大なフライゴンは此方に接近してきた。

「フ、フライゴン!でんこうせっかで避けろ!」

 言うが早いがフライゴンは一瞬にして数メートル前方に移動した。思わず振り返ると、丁度鋭い翼が俺たちのいた場所を切り裂いている光景を目の当たりにする。

「完全に敵さんこっち狙ってるけど……いけるか?」
「ライゴン!」

 こうなってはバトルは避けられない。野生にしてはレベルが高そうだが……それは問題じゃない。一番は数だ。
 ぱっと見で数千はいるだろうナックラーに一斉に襲い掛かって来られたら幾らレベル差はあっても厳しいだろう。
 だからまずは……

「速攻で親玉を無力化する!……フライゴン!【りゅうのいぶき】!!」

 フライゴンは喉元にエネルギーを溜めると、それを間髪いれずに解き放った。紅蓮の息吹が一直線に向かって行く。
 当然フライゴンもバシャーモ同様レベルは最高となっている。いくら威力60でも直撃すれば致命的だろう。
 しかし、巨大なフライゴンは俺の予想を……いや、ポケモンの世界の常識を裏切った。

「フラァァァァアアァァァアアイゴン!」

 その凄まじい雄叫びに反応したかの様に巨大フライゴンへエネルギーが集まってゆく。そして……

 頭上に向かって解き放った。

「は…………オイオイ、冗談だろ」

 何度か、その技は見たことがあった。アニメ版サトシ、シロナさん等々……うろ覚えだが使っていたはずだ。



 技の名前は【りゅうせいぐん】



 ゲームではなつき度を最高まで上げ、更に技を教えてくれる人の元へ行かなければ習得不可のドラゴン最強技だ。

「オイオイオイオイ!幾ら何でもそれはおかしいだろ!」

 爆発音。抑え込まれたエネルギーが解放され周囲に無差別に飛び散る。【りゅうのいぶき】諸共巻き込んでそのエネルギーの塊は此方へ向かってきた。
 その名の通り【りゅうせいぐん】は自身のドラゴンの力を流星の如き弾丸と
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