第3話 遺跡出現までの10日間【1日目】 その1
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「あ、ありがとうございます」
麻袋にジャラジャラと硬貨を詰め込むと屋台から出てきて僕の右手にしっかりと握らせてくれた。
「自分の身に気を付けなよあんちゃん、たぶんしばらくこの町はあんたのことでもちきりになるかもしれないからな」
「ぼ、僕の事で……ですか……」
「おう、見たところエルフじゃなさそうだし金も物凄い持ってそうだしな」
「ハ、ハハハ。ご忠告ありがとうございます」
「おう、達者でな!」
「はい!」
いい人に出会えたなぁと思いながら僕は巨大な噴水が見える所へ歩いて行く。相変わらず凄い視線を感じるな……。
「はむっ」
紙袋に入った串焼肉―――――アイスル牛だっけ? とりあえず口いっぱいに頬張る。
「お、おいしい……」
これは……凄いおいしい……炭火で焼いているな……味付けは塩コショウだけだけど十分いける。病みつきになりそうだ。
思わぬ発見に少し嬉しくなりながらあっという間に3本の串焼肉を平らげる。
「あ、そうだ……武器屋さんだっけ……行ってみたいなぁ……あと服も買わないと……」
とりあえずどこにあるかを聞こうとベンチから立ち上がり、近くにいた茶色の髪をポニーテールにしたエルフの女の子に話しかける。
「あ、あの……」
「ひゃ!? ひゃい!?」
「あ、驚かせてすいません……」
かなり驚いた表情でこちらを見てくるので思わず謝ってしまう。って、武器屋の場所聞かないと……。
「ぶ、武器屋の場所ってわかりますか……? ここに来たばかりで何がどこにあるかわからないんです……」
「ぶ、武器屋さんですか……、えっとですね、あそこの果物屋さんがある路地を右に曲がってしばらく歩くと見えてくると思います」
「あ、ありがとうございました」
「いえいえ……」
「ねえ……見てあの人……」
「ヒソヒソ」
「やだ……宿屋の看板娘……にナンパ……」
「ヒソヒソ」
茶色の髪をポニーテールにした少女は以外にも丁寧に教えてくれる。ついでに服屋の位置も聞いておこうと思ったが周りにどんどん人が集まってきてこの場に居づらくなったので、僕は茶色髪をポニーテールにした少女にお礼を言うと急いで噴水広場から立ち去った。
☆ ☆ ☆
「いらっしゃい」
茶色の髪をポニーテールにしたエルフの少女に言われたとおりに進むと入口に槍やら大剣やらが立て掛けてあるお店に着いた。中に入ると40代ぐらいの頭をスキンヘッドにした上半身半裸のエルフが出てくる。ちょっと悪人面で怖そうだ……。
「あ、あの……防具が買いたいんですけど……」
「防具だけ
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