第4章
停止教室のヴァンパイア
第96話 和平
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し、俺がこの学園に滞在するのにサーゼクスから条件を課せられた」
アザゼルは飛ばした腕を装着しながらそんな事を言い出した。
「お前達の未成熟な神器を正しく成長させる事だ。フフフフ。未知の進化を秘めた赤龍帝の篭手、聖魔剣、停止世界の邪眼。俺の研究成果を叩き込んで、独自の進化を模索してやる。良いな、これから俺をアザゼル先生と呼べ!じゃ、そう言う事でよろしくな♪」
「ちょ!?よろしくって、私はまだ納得していない…」
「そうだ、おい、士騎明日夏、士騎千秋、お前らはどうする?」
『ッ!』
「あのレイドゥンとか言う奴と戦うってんなら、今のお前らじゃあ勝てねえぜ。お前らの幻龍の緋衣、怒涛の疾風も面倒見てやっても良いぜ?」
俺と千秋は互いに視線を合わせる。
「ああ、頼む」
千秋も無言で頭を下げる。
「二人をお願いしますね、総督さん」
兄貴もアザゼルに頭を下げる。
「おお、任せとけ♪」
嫌らしい笑顔で応じるアザゼル。
……大丈夫なのか…?
……なんか不安になってきた…。
「それじゃあ、僕達はもう行くね」
「もう行くのか?」
「いろいろと報告なり、する事がいっぱいできちゃったからね」
兄貴達が行っていたレイドゥンによって集められたはぐれ賞金稼ぎの掃討作戦では、特に被害も無く、制圧できたらしい。
一番重要なのは、災禍の盟主の正体であるレイドゥンの事か。
レイドゥンが父さんと母さんにした事は既に兄貴の耳には入っている。
俺達と違い、兄貴は普段通りだ。
そう、普段通り。
それがかえって不気味だったがな。
「イッセー」
ふと、姉貴がイッセーに手招きをする。
「えっと、なんですか、千春さん?」
「あの時の礼がまだだったからね。助けてくれて、サンクス♪」
「いえ、そん…」
唐突に姉貴がイッセーの口を自分の口で塞いでしまった。
要はキスした。
『なっ!?』
俺と兄貴、アザゼル以外の全員がその光景を見て驚愕していた。
兄貴やアザゼルはともかく、俺が特に驚いてないのは、なんとなく予想出来ていたからだ。
姉貴がイッセーに惚れているんじゃないかって。
姉貴が普段からイッセーに対して過剰なスキンシップをするのも、惚れた男であり、支えであるイッセーに対する甘えからなんだろう。
ただ、おそらく、妹である千秋に遠慮している所があるがな。
大分長めキスを終えて、口を離した姉貴は悪戯を成功させた様な顔をする。
「お・れ・い♪ちなみにファーストキス♪」
頬を少し染めながらも満面の笑顔で言う姉貴に対して、イッセーは大分顔が真っ赤になっていた。
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