第4章
停止教室のヴァンパイア
第96話 和平
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姉貴は今みたいな振る舞いをしていた。
「まあ、お姉ちゃんだからね。でも、演技って訳でもないよ。元々ああ言う性分だったんだろうね」
「だが、大分俺達に遠慮してた所があるんじゃねえのか?」
「まあね。私、実は千秋みたいな甘えん坊だったんだよね。実は父さんと母さんにべったりだったり。まあ、千秋に存分に甘えさせてあげちゃったけどね」
「……兄弟なのに遠慮し過ぎだろうが…」
「そこはほら、お姉ちゃんの意地ってやつ?男が意地張る様に女も張りたいの」
「これからも続けるのか?」
「続けるよ」
「はぁ、言っても聞かねえんだろうな」
「冬夜に賞金稼ぎになる事を言ってたあんた達みたいにね」
「分かったよ。もう、何も言わねえ。ただ…」
「ん?」
「弱味なんて、いつでも見せてもいいからな。姉弟なんだからよ」
「はいはい」
その返事を聞いた後、俺はその場から離れ、離れた場所にいたイッセーと合流する。
「……話は終わったのか?」
「……まあな。後は頼む。お前にしか弱味は見せたくないようだ」
「ああ」
「……姉貴の事、サンキューな」
礼を言いながらイッセーの肩を軽く叩いて、その場から立ち去る。
はぁ、ライニーに偉そうな事を言っときながら、俺も他力本願だな。
「ってな訳で、今日から俺がこのオカルト研究部の顧問となる事になった」
会談の日の翌日、着崩したスーツを着たアザゼルが部長の席でそんな事を宣っていた。
「……どう言う事かしら?」
部長が低い声音で聞く。
「いやなに、サーゼクスに頼んだら、セラフォルーの妹に言えと言うんでね」
会長が?
みんなの視線が後ろにいる会長に集まる。
「……でないと、姉が代わりに学園に来ると脅さ…いえ、せがまれまして…」
「要するにオカ研を売った訳ね」
「では、後はよろしく」
「ちょっと、ソーナ!?」
部長の指摘を聞くなり、会長はそそくさと副会長を連れて退室してしまった。
図星って訳か。
「ところで総督さん、その腕は?話を聞いた限りでは、失ったって聞きましたよ?」
毎度毎度、何故か部室にいる兄貴がアザゼルにそう聞いた。
確かに、カテレア・レヴィアタンとの戦いで左腕を失っていたはずだったんだが、今の奴にはちゃんと左腕があった。
「ああ、神器研究のついでで作った万能アームさ!一度こう言うのを装備したかったんだ!フフン!」
言うや否や、アザゼルの左手が変形してツールになったり、ドリルになったり、終いには腕がロケットと化して、部室内を縦横無尽に飛ばし始めやがった!
「ロケットパンチとはロマンですねぇ!」
「機械仕掛けの義手ってのもいい感じだなぁ!」
兄貴と姉貴に至っては目を輝かせていた。
二人共そう言うの好きだからな。
「あ、ただ
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