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ハイスクールD×D 新訳 更新停止
第4章
停止教室のヴァンパイア
第96話 和平
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姉貴はいつもの様に飄々と応じた。
「体の方はそこまで心配しちゃいねえよ。ただ…」
「?」
「心の方は大丈夫なのか?」
「ッ!?」
俺がそう尋ねると、一瞬だけ目を見開いてすぐさまいつもの飄々とした態度になる。
「にゃははぁ、心はどうかって、お姉ちゃんは心身共に健康体だよ♪」
「……だったら、なんで一瞬動揺すんだよ?俺が見逃すと思ったのか?」
「弟がいきなり変な事聞くから、驚いただけだよ」
笑いながら言っちゃいるが、ぶっちゃけ、かなり動揺してやがる。
「姉貴」
「ん?何…」
「イッセーから聞いたぞ」
「っ!?」
俺がそう言うと、姉貴は普段からは想像もつかない程の驚愕の表情を浮かべると、思いっきり項垂れてしまう。
「……はぁぁ…イッセー、喋ったのかぁ…」
ここにはイッセーと一緒に来たんだが、途中で外してもらった。
その時にイッセーから俺達が知らない姉貴の事を聞いた。
「……自分の弱味を無理して隠しながら姉として振る舞っていたとはな…」
「……………」
イッセーから聞いたのは、姉貴が自分の弱味を無理しながらひた隠し、俺達の前で無理して明るく姉として振る舞ってたと言う事実だった。
「………明日夏と千秋には言うなって言ったのに……」
「……俺が問い質したんだ。気付いてたか?姉貴、遠目に見ただけでも大分参ってた姿に見えたぞ」
その時、俺は大分驚いてたが、イッセーは驚くどころか、その姿を知ってる様な様子をしていた。
それを見た俺はイッセーを問い質して聞いたのが姉貴が無理をしていた事だった。
「……はぁ、そんなに参ってたのかぁ…」
「しかしまさか、イッセーにだけは弱味を見せてたとはな?」
そう尋ねると、姉貴は天を仰ぎ見ながら言う。
「……イッセーにも見せる気は無かったんだけどなぁ…。うっかり、見られちゃって…」
「見られた?」
「四年前、あんたらが中学に入ってしばらくした頃かな。父さんと母さんの墓の前で泣いてる所を見られたんだ…」
「それも聞いた。帰って来る度に二人の墓の前で辛さから泣いていた事もな…」
「……はは……その時は本当に大分参っててねぇ……気にしなくて良いって言ったんだけど、私の弱味を受け止めるって言うイッセーの言葉を聞いて、千秋の事もあったせいか結局甘えちゃったんだ…」
「そうか」
「そっからはもう、ズルズルだよ。ま、おかげで、あんたや千秋には弱味がバレずに済んだけど。まあ、たった今、あんたにはバレたけど」
そんな事があったのか。
やれやれ、俺と言い、千秋と言い、姉貴と言い、兄弟揃ってあいつの世話になってるな。
特に千秋や姉貴至っては心の支えか。
「一つ聞いて良いか?」
「何?」
「姉の振る舞い、父さんと母さんが死ぬ前からやってたのか?」
俺の記憶が確かなら、物心が付く前から
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