第4章
停止教室のヴァンパイア
第96話 和平
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
行った。
「え〜と、なんか貸し作る様な事したっけ?」
「さあな」
イッセーが俺に聞いてくるが、正直俺も貸しを作った記憶は無いんだが。
「アハハ、あれはライ君なりのお礼なんだ」
ユウナがそう言うが、どんだけ捻くれた礼だよ。
「ありがとうね、イッ君、アス君!」
ユウナは自分の事の様に満面の笑顔で俺達に感謝の言葉を告げた。
「私、ライ君を追い掛けるね。一人にすると何するか分かんないし」
「ああ、またな、ユウナ」
「あ、二人共、せっかくだから、私の事はユウって呼んでよ。仲良くなった人からはそう呼んでもらってるから!」
「ああ、分かったよ、ユウ」
「じゃあな、ユウ」
俺とイッセーがそう呼ぶと、ユウナ…ユウは再び満面の笑顔を作って、手を振りながら、ライニーの後を追っていった。
「フフフ、これもまた、和平を象徴していますね」
俺達のやり取りを見てミカエル様は再び微笑む。
「ミカエルさん、俺の願いを聞いていただいて、本当にありがとうございました!」
イッセーが深々と頭を下げた。
「貴方は此度の功労者です。この程度の事では報奨にもなりませんが…」
「いえ、そんな…」
イッセーとミカエル様が話している中、木場がアルミヤさんをと一緒に俺達の下までやって来た。
「ミカエル様、例の件、お願いします」
「貴方から進言のあった聖剣研究の事も今後犠牲者を出さぬ様にすると、貴方から頂いた聖魔剣に誓いましょう。アルミヤ、その件の事は任せましたよ」
「了解です、ミカエル様」
木場の奴、いつの間にかそんな事を天界側に進言してたのか。
「私は天界に戻り、和平の件の報告を。渦の団(カオス・ブリゲード)についての対策も講じなくては」
そう言い、ミカエル様は天使の兵達を引き連れてこの場から立ち去って行った。
「イッセーさん」
「あ、良かったな、アーシア!」
「イッセーさん!」
アーシアが目元を潤ませながらイッセーに抱き付き、イッセーはアーシアを優しく抱いていた。
「あ、ゼノヴィア!」
「?」
「ゼノヴィアもこれから存分に祈れるぞ!」
「あ、ああ。……その…」
「ん?」
「ああ、いや……ぁぁ……ありがとう…」
ゼノヴィアは頬赤く染めながら、消え入りそうな声でイッセーに礼を言う。
どうやら、照れてるみたいだな。
「俺はしばらくここに滞在する事にしたからな」
「え?」
「言ったろ、俺にしかできない事をしてやるとな」
「それって、どう言う…」
「俺は疲れたぁ。帰るぞ」
有無を言わせず、アザゼルは堕天使の兵達を連れて、この場から去って行った。
俺達は後にアザゼルが言っていた事の意味を知る事になる。
「大丈夫かよ、姉貴?」
俺は学園の一角で座っている姉貴に話し掛けた。
「平気平気、お姉ちゃん、こう見えて頑丈だから♪
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ