第4章
停止教室のヴァンパイア
第96話 和平
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証言で判明した。おそらく、その事が原因で…」
そいつの眷属の謀反も逃亡も主への不満から起こしたものと言う訳か。
もしかしたら、悪魔そのものにも嫌悪感ができたのかもしれないな。
「……あの、サーゼクス様。主を裏切ったり、逃亡したって事は……ライニーのお姉さんは、その…」
「うむ、はぐれ悪魔として認定されている。だが、安心したまえ、イッセー君、ライニー・ディランディ君。はぐれだからと言って、必ずしも討伐するとは限らない」
「え?」
「っ!」
「はぐれの中には今言った様な主の方に問題があるケースも少なくはない。その場合、説得による捕縛が施行される様になっているのだ」
はぐれだからと必ずしも討伐するとは限らず、主側の方に問題がある場合は環境の改善を提供する訳か。
それでも、悪魔への嫌悪感などからその説得に応じない場合もあるかもしれない。
その場合は力ある存在をヘタに放置できないとやむを得ないって事でもあるのか。
「彼女の行方は不明だが、死んだと言う報告は来ていない為、どこかで生き延びている可能性はあるはずだ。もし、君が彼女を保護したいと言うなら、彼女の情報が入ったら真っ先に君の下へ向かう様にしよう。だが、もし彼女が我々三勢力の害となるならば…」
「その時は……俺が姉さんを殺します…」
ライニーは覚悟を秘めた目で告げる。
「……分かった。では、情報が入ったらミカエル殿を通して君に伝えよう。よろしいですかな、ミカエル殿?」
「はい、喜んで」
「……ありがとうございます」
「君は今回の戦闘で十二分に戦ってくれた。これくらいは容易い事だし、それに、悪魔側の方にも問題があった訳だからね」
ライニーは頭を深々と下げるとこの場から去ろうとする。
「良かったな、ライニー!安心はできないけど、お姉さんの事、なんとかなりそうで!」
「……なんで赤の他人である俺の事をお前が我が事の様に喜んでるんだよ…。ましてや、お前は俺に対しては嫌悪感を感じる様な存在だろうが?」
「いや、あの事はもう気にしてないし。それに、一緒に戦った中なんだから、赤の他人って事は無いだろ?もしお姉さんの事、俺の方で何か分かったらさ、すぐ伝えるからな!もし、手伝える事があったら、手伝いもするし!」
「……なんでそこまでする!?義理なんて無いだろうが…!」
「そうだけど、なんか放っておけねえし、それにユウナとは家族みたいなモンなんだろ?だったら、尚更放っておけねえよ!」
イッセーの言葉を聞いて、ライニーは盛大に溜息を吐いた。
「……そいつと言い、お前と言い、お節介な奴らだ」
ライニーは再び歩き出そうとするが、止めて、俺達に語り掛けた。
「おい、士騎明日夏、兵藤一誠、一つ借りておく!そんなのゴメンだから、絶対にさっさと返す!」
そう言って、今度こそその場から立ち去って
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