第4章
停止教室のヴァンパイア
第96話 和平
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躍してたと思えるからな。……もっとも、当の本人があの様子だけどな…」
ライニーを見ると、とある場所をじっと見つめていた。
そこには、三大勢力のトップ達が何かを話していた。
そのトップ達を見つめながら、行動を起こそうかどうかを決めあぐねているって言う様子だった。
今までの悪魔に対する考え方や和平が成立しているとは言え、他勢力の一個人の願いを簡単に検討してくれるとは限らないなんて言う想いなんかが邪魔して、行動に移せないのだろう。
「……焦れったいな…!……ちょっと行ってくる…」
俺は立ち上がるなり、その場から離れて、ライニーの下に向かう。
「いつまでそうしてるつもりだ?」
声を掛けてみるが、ライニーは無視してそっぽを向いてしまう。
「はぁ…。そんなに姉の事を想ってるんなら、ゴチャゴチャ考えずに行動したらどうだ?」
「……お前には関係無いだろ…」
「ああ、関係はねえ。単純に見てて焦れったくなった。それに兄弟絡みの事だったから放っておけなかっただけだ」
「……兄弟絡み、か。そう言えば、お前ら兄弟もある意味兄弟で支え合って生きてきたって事になるのか?」
「どうだろうな。ほとんど兄貴やイッセーに支えられた様なもんで、俺自身は支えられてばっかりだったかもな。それでも、家族を失う事の辛い気持ちは分かるつもりだ。兄貴や姉貴、千秋の事でなら、なりふり構わず全力で行動するつもりだ。いや、絶対する!つまんねえ事で行動しなかったら絶対後悔するからな。だから、他人の兄弟絡みの問題でも見て見ぬふりはできねえし、それに…」
「それに?」
「ユウナとは大分親しい仲、友達と言っても良い仲になったからな。そのユウナが家族同然と想ってるお前の事も放っておく事もできねえ。お節介と言われようが、躊躇しねえよ。お前がその気なら、俺が行動するだけだ」
「……お節介にも程があるな」
「で、どうするんだ?自分で行動するか、俺に任せるか、どっちにする?」
俺の問い掛けにライニーは嘆息する。
「……俺は他人に借りを作るのはゴメンなんだよ」
どうやら、自分で行動する事にしたみたいだな。
ライニーは俺から離れる様にトップ達の下に速足で歩いていく。
俺はそんなライニーの後に付いて行くのだった。
ライニーの後に付いてトップ達の所に行くと、イッセーがアーシアとゼノヴィアを連れ、その三人の後にユウナが付いて来る構成でトップ達の下に来ていた。
「あ、明日夏とライニー。もしかして…」
「まあ、ようやく行動を起こしたってところだ。んで、お前はアーシアとゼノヴィアを連れて来てどうしたんだ?」
「ああ。実はミカエルさんにお願いがあって…」
「私にですか?」
「はい、一つだけ」
「私に可能な事であれば」
「アーシアとゼノヴィアが祈りを捧げる事をお許しいただけませ
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