エルフの城で 【4】
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さな扉から革袋を持った次女らしきエルフさんが現れた。
「今日から10日後に『遺跡』が現れます。それまでこの世界をゆっくり見て学んで、自分が命を懸けて守ろうと思うぐらい素敵な世界なのかどうかを確かめてください、これはその10日間分の資金です」
「!?」
い、『遺跡』!? なんだろう……また知らない単語が出てきたぞ……。
「あ、あの……い――――――――うお!?」
『遺跡』とは何なのかを尋ねようとすると無表情の次女エルフさんにポンッと革袋を手渡される。中身を見ると金貨が100枚くらい入っていた。
「金貨が150枚入っています、それで武器や防具、回復アイテムなどをそろえるといいでしょう。まあ、どう使うかはあなたの自由です」
「あ、あの……いいんですか……こんなにいただいてしまって……」
この世界の相場はわからないが決して安くはないと思われる金額に僕は目を白黒させる。
「フフ、先行投資ですよ。遠慮なく使ってください」
「は、はい」
とりあえず僕はその革袋を受け取ることにした。
「あら、もうこんな時間ですね」
「?」
エリザベータさんが窓から空を見上げながら言った。
「そろそろお別れの時間です」
「あ、そうですよね……色々とありがとうございました……」
「いえ、どういたしまして」
向こうは一国の女王様、決して暇ではないだろう。こんな見ず知らずの若者と話す時間などないはずだ。
「正門から出てしまっては目立ってしまうので裏門から出てください。上口へはそこの入口に控えている騎士に案内させますのでご安心を」
「あ、あの……」
「はい、なにか?」
「ここを出ていく前にアリスに挨拶をしていきたいんです……その……いろいろお世話になったので……」
僕の言葉にエリザベータさんは大きな瞳でパチパチと瞬きする。
「申し訳ありませんが、今あなたがアリスに別れを言いに行ってしまうとアリスはどんな手段を使っても必ずあなたについて行きます」
「は、はぁ……」
「あの子にはちょっと大切な話があるので、今あなたについて行かれると少し困るのです。フフ……フフフフフ………」
「は、はいいぃぃぃ」
ゴゴゴッとエリザベートさんから怖いオーラが湧き出てくる。アリスサン……イッタイナニヤラカシタンデスカ……。
「とりあえず、そういう訳なので、申し訳ありませんがケントさんにはすぐにお城を出てもらわなければならないのです…フフフフフフフフフフ………」
「ハイ! リョウカイデス!」
コワイデス! 怖いですエリザベータさん!! これ以上ここにいたら寿命が縮
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