エルフの城で 【2】
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人なんだ………。
「それに、何となくですけど……とても楽しかった……」
「「えっ………」」
あの時の戦闘を思い出して思わず出てきてしまった言葉にアリスとイオーラさんが驚いた表情を浮かべる。
「あ、あれ……なんでこんなこと言っちゃってるんだろ…………」
僕は自分が発した言葉に戸惑いを覚え、思わず手で口をふさぐ。沈黙が花で囲まれたこの部屋を支配する。
「ま、まあ、ケントとっても強かったよね! ゴブリン50体を魔法も武器も使わずに素手だけで倒すなんてすごいよ!」
気まずい雰囲気を壊すようにアリスがニッコリと笑って僕をほめる。
「アハハ……、ゴブリンたちの急所が僕たち人間と同じで助かりました……」
「はて……ニン……ゲン……?」
僕の言葉にイオラさんが首をかしげる。
「あ、僕の…………なんて言ったらいいのかな……」
「種族?」
「そ、それです!」
僕がなんて説明しようか悩んでいるとアリスが助け舟を出してくれた。
「ケントさんはその……ニンゲンという種族なのですか?」
イオラさんが恐る恐る聞いてくる。あれ、まさかこれ僕以外には人間いない……?
「は、はい」
「聞いたことない種族ですね……。な、何か特殊能力とか持っているのですか? ウンディーネのように水魔法が得意とかサラマンダーのように炎魔法が得意とか獣人みたいに身体能力がかなり高いとか……」
ちょとまてちょとまてイオラさん、僕の知らない単語が3つぐらいでてきたんですけど!? ま、まあ水魔法と炎魔法は大体想像できるけど……ウンディーネ? サラマンダー?? 獣人??? 僕がどう反応していいかわからないという表情をしているとアリスが説明してくれる。
「あ、イオラ。言い忘れてたけどケントはニッポンという恐らくとってもとっても遠い国から来んだ、だから知らないことがたくさんあるんだよ。魔法もハンスが使っていたのを見たのが始めてみたいだったし……ウンディーネとかサラマンダーとか獣人とかもわかんないんじゃない?」
……遠い国か……まあほんとは別の世界から来たんだけど……そう言うことにしておこう。
「そ、そうなのですか。私が言った言葉でわからなかった単語とかはありますか?」
イオラさんが律儀に僕に聞いてくれる。優しい人だなぁ……。
「は、はい。ウンディーネとサラマンダーと獣人について説明してほしいんですけど……あと僕以外に人間って種族の人はいないんですか?」
僕が控えめに言うとイオラさんはにっこりと微笑む。
「では説明いたしますね、ウンディーネというのは私達エルフの国、『アイスル国』と隣接する国『シトレア国』と
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