この世界に来て 【4】
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らい時間がたっただろうか……我に返った僕は血まみれのゴブリン達を見下ろしていた。頭がボーっとする、呼吸がとても荒い、肺が焼け付くように痛い。体全身が酸素を求めてあえいでいる。
「……………」
ジッと自分の拳を見つめる。アリスのガントレットはゴブリンたちの血で染まり、ひび割れ、だいぶ傷んでいた。拳が痛い、この痛みは前の世界でコンクリートを殴り続けた時の痛みに似ている。
「ッ!?」
もうろうとした頭を振りながら、血だまりを歩いて倒れているアリスの方へ歩いて行こうとしたら足の甲に激痛が走った。
これは……折れちゃったかな……。靴はボロボロになっているし足の皮も向けているみたいだ………。
「アリス、立てる……?」
「ケン……ト……そ、そんなに強かったんだ………」
「ハハハ、あの巨大トカゲを一撃で倒したアリスの方が強いと思うよ………」
アリスは信じられないものを見るような顔で僕を見てくる。僕は優しく微笑みながらアリスの手を掴み起き上らせた。
「クッ……」
アリスは僕の血にまみれた手を掴み、何とか起き上ったが歩こうとしたらこけてしまった。
僕はまだしびれが残っているらしくうまく歩けないアリスに肩を貸そうとすが――――――――――――
あれ………なんで地面が目の前に……。
「ケント!? しっかり!? しっかりして!!!」
ちょっと無理しすぎたかな……。
アリスの叫び声を聞き流しながら僕の視界はだんだんと黒く染まっていった……。
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