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異世界を拳で頑張って救っていきます!!!
この世界に来て【2】
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もしぶしぶと言った感じでアリスは僕から離れてくれる。しかし人懐こい子だなぁ……。

「は、はいぃぃぃ……」

「ガハハハハハ! まあこんな奴らじゃが仲良くやってくれケント。拠点の準備が出来次第出発するから荷物をまとめて置くように!」

 豪快に笑いながらガバランさんは僕達から離れていく。

「準備ねー…、私ほとんど荷物とか持ってないから暇だなー。ハンスは?」

「僕はもう終わらせてます」

 ハンスの淵なし眼鏡がキラリと光る。

「ケントは何か持ってきてるものとかあるの?」

 ハンスの反応を華麗にスルーしてアリスが聞いてくる。しかしアリスさん、ほんとに毎回距離を縮めてくるのやめてもらえませんか……。

「い、いや僕は特に何も……」

 そう話しているうちにだんだんと周りにいる人数が増えてきている気がする。皆兜やら鎧やらを見に纏い槍やら剣やら弓で武装している。ローブをまとってるエルフも何人かいるな……。いつの間にか立派な毛並みをした馬が引いている大きな馬車も何台か到着しており、皆一生懸命トカゲから剥ぎ取った皮や肉などを積み込んでいる。

「しかし凄い人数ですね……」

 恐らく30人弱はいるだろうエルフたちを眺めながら僕の放った言葉にアリスはフフンと自慢げに笑いながら言う。

「でしょでしょ! 私とハンスが所属しているここ『トライアンフ』はここら付近じゃ1番規模の大きいギルドなんだから!」

「そ、そうなんですか……」

「そうそう! あ、よかったらケントも入る?」

 思い出したようにポンッと手を打つとアリスがそう提案してきた。

「い、いや僕はちょっと……これから何していいかもわからないんで……」

「そうですよ、アリス。いい加減人をすぐに勧誘する癖、治さないといけませんよ」

「はぁい……」

 ハンスの言葉にアリスはシュンとなる。

「ちょ、ちょっとまだわからないことだらけなので……もう少しこの世界のことがわかってきたら、もしかしたらお世話になるかもしれないんで、その時はよろしくお願いします」

 アリスのしゅんとした顔を見ているとちょっとかわいそうになったので一応入るかもしれないということだけアリスに言っておく。するとアリスは表情をパッと輝かせた。喜怒哀楽がすぐ表情に出る子なんだな……。

「ほ、ほんとぉ! じゃあ期待して待って―――――――――」

「ご、ゴブリンだあああああああああああああああああああああああああ!!!」

「「「!?」」」

 突然、アリスの声を切り裂くようにどこからか声が上がった。


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