この世界に来て【2】
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【2】
「ヘイ! だんちょー!」
アリスがズルズルと僕をひきずりながら、先ほどぶっ飛ばした巨大トカゲの皮をナイフで剥いでいる60代くらいの大きな体つきをした老エルフに声をかける。
「おお、アリス。いやはやさすがだな、コルモオオイワトカゲを一撃でしとめるなんて、しかもこいつの皮は質がいい、きっと高値で売れるぞ。王都に戻ったらボーナス出しとくからのう!!」
「いやいや、それほどでもぉ」
二へへッと頬を緩ませて照れるアリスの肩を叩きながら大柄な体を震わせてガハハ豪快に笑う老人を僕は思わず凝視してしまう。
上半身裸の筋肉質の体には大小様々な傷跡がついており数々の修羅場をくぐってきたことを連想させる、さらに巨大な両刃の大剣を背負っておりいかにもって修羅場くぐりまくってきてますって感じのおじいさんだ。
というかあの巨大トカゲ、コルモオオトカゲって言うのか……、まあ、めんどくさいから巨大トカゲでいいや。
「む、そいつはだれじゃ?」
僕の視線に気づいたのかおじいさんが左手で全く手入れをしていないように見える顎髭をジョリジョリとやり、僕をじろじろと見ながらアリスに聞く。
「ケントっていうの、ニッポンからきたんだってぇ」
「ニッポン? はて……聞いたことのない国名じゃな」
「そっかぁ……団長もわからないのかぁ……」
アリスが残念そうに言う。
「あ、ケント紹介するね。このナイスガイのおじいさんは私が所属しているアイスル王国公認ギルド『トライアンフ』の団長のガバランさんだよぉ! めっちゃみためこわいけどとっても優しいから安心してね!」
「よ、よろしくお願いします」
「おう! よろしくのう!!」
僕はガバランさんが出してきたでかい手を握る。す、すごいゴツゴツしている……。
「今からどうするの団長?」
アリスがぴょこりとガバランさんと僕の間に顔を出す。
「ふむ、もうそろそろ食料が切れてくるころじゃから王都に一旦戻ろうと思っておる」
僕の手を放しながら団長の放った言葉にアリスは目をキラキラと輝かせる。
「おお! やっと王都かぁ! ケントケント! よかったね王都に行けばいろいろな情報が手に入るし、いろんなおいしいご飯も食べれるんだよっ!!!」
「は、はいぃぃ」
アリスが僕に抱きついてくる。そ、そんな布面積が少ない服で抱きつかないでぇ……。
抵抗できずにされるがままになっているとついてきたのかハンスがやれやれといった表情で現れた。
「こらアリス。ケント君が困っているでしょう」
「ええ〜、そんなことないよ! ね、ケント!」
ハンスの言葉に反論しながら
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