真逆の龍
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は恨まれることになる。
でもね劉璋さん。どれだけあなた達が殺そうとしても、誰かに恨まれても、私達は秋斗さんを……黒麒麟を殺すことは出来ないよ。私も、朱里ちゃんも、愛紗ちゃんも、星さんも白蓮ちゃんも鈴々ちゃんもあなた達を止める。だってあの人は――」
絶望の渦巻く瞳の奥には、明るい光があった。
その色を見て苛立ちがもやもやと燃え上がりつつも、劉璋は言葉の続きに耳を傾けた。
「――理想を叶える為に絶対必要な人だから」
しばしの静寂。
そうかい……とだけ言って劉璋はまた宙を見上げた。
何があったのかは知らない。内部事情までは深く聞くことはしない。それでは彼にとっても面白くない。
――それはお前と全く真逆な俺よりも必要ってことか?
聞きたくても口からは出さず、胸で渦巻く野暮ったいモノを閉じ込めたままで劉璋はへらへら笑いをまた浮かべ始めた。
それからぽつりぽつりと、真逆の二人がまた言葉を交わし始める。
相容れないと分かっていながらの不思議な関係に満足している劉璋と、いつか分かって貰えると根強く語り掛ける桃香。
誰の耳も無い部屋の中で二人の邂逅は続く。
一方通行の想いと思いが交わることはなく平行線のままではあったが……
この関係も“黒”と会えば何かが変わるだろうと、その時は二人共が確信していた。
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