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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン35 光の結社とアカデミア−4F−
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だが、坂田の言葉を信じるならば彼の場の妨害札のせいでそれができる可能性は限りなく0に近い。
 夢想の表情が、スッと強張った。せめてもの抵抗として、自分の場に伏せてあったカードを表にする。

「エンドフェイズにサイクロン……私から見て真ん中のカードを破壊するんだってさ」
「ちっ、和睦が1枚おじゃんになっちまったか。だがな、それ1枚で今更何ができる!」

 自分のデッキの中にある何のカードを引けば、この状況を打破できるだろうか。彼女は静かに目を閉じて、いくつものパターンをシュミレートし始める。
 では、3階では何が起きているのか。翔と剣山が互いに互いの背中を守りながら、輪になって包囲する白服軍団相手に一歩も引かずに大立ち回りを繰り広げていた。

「速攻魔法、融合解除を発動!僕の場のスチームジャイロイドをエクストラデッキに戻すことで、融合素材となったスチームロイド、ジャイロイドの2体を特殊召喚する!そのまま2体で直接攻撃!」
「相手フィールドに守備表示モンスター以外のカードが存在しない時、暗黒恐獣(ブラック・ティラノ)は相手プレイヤーに直接攻撃ができるドン!さらにこのダメージステップにリバースカード、生存競争を発ドン!暗黒恐獣の攻撃力は、さらに1000ポイントアップしてとどめザウルス!」

 下2階と比べ、ここの2人はそこまで苦労していない。その理由はそもそもここにいるのが警戒されていた万丈目に夢想とは違い一般構成員からすればほぼノーマークに等しい2人だったおかげで出てきた光の結社メンバーも少ないうえ、もっとも危険である鎧田を一番先に片付けたからだ。
 そして最後の1人が倒れ、改めてほっと息をつく。

「ふう……大丈夫、剣山君?」
「デュエルしてるうちに、だいぶ痛みも消えてきたドン。でも休んでる暇はないドン、早く先に進むザウルス」

 その言葉に翔も頷き、十代たちの向かった方へ歩き出す。だが、数歩も歩かぬうちにその足が不意に止まった。

「どうしたドン?」
「下の2人がまだ来ないってことは、やっぱり様子を見に行った方がいいんじゃないかなって思って……でもアニキも心配だし、どうしよう?」

 本気で困ったような翔の様子に、剣山も一瞬考え込む。そして一度自分自身に言い聞かせるように頷くと、翔の背中をバシッと叩いた。

「うわっ!?何するのさ!?」
「丸藤先輩、悪いけどここから先は1人で行ってもらうドン。俺が代わりに下の様子を見てくるザウルス」
「え、でも……」

 十代のところに行きたい気持ちは同じであることは、翔もよくわかっている。それなのにその役を翔に譲り、自分は下を助けに行くという。それがどれだけ重い決意だろうか、それを考えると素直にその提案を受け入れることをためらってしまう。その様子を見て、もう1度剣
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