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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン35 光の結社とアカデミア−4F−
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ーフェイズにカードをドローしていただけということになる。
 そして、そんなデュエリストとしてのプライドを完全にかなぐり捨てるような真似をしてまでこの20人が狙っていた、たった1つのコンボとは一体。その答えは、いつの間にか夢想の周りを取り囲んでいた17個の人魂にあった。

「それじゃあ、これは……ってさ」
「ご名算!俺たちが狙っていたコンボは、このひとつ!お前の今のエンド宣言により、終焉のカウントダウンは17ターン目のカウントを終えた!」

 終焉のカウントダウン……2000ポイントものライフを支払うことで発動し、お互いのエンドフェイズごとに1つずつカウントが増えてゆく通常魔法。そして20ターンが経過した時、発動プレイヤーはデュエルに勝利する。
 いわゆる特殊勝利カードの1枚だが、このカードには他の特殊勝利カードにはないある特徴がある。1度発動さえしてしまえば、その前に勝負をつけない限り絶対にカウントを止める手段がないという点だ。そして今無双の周りに浮かぶ人魂は、もうかれこれ17ターンも前にカウントダウンが始まっていたことを表す。

「さて、そして俺のターンだ。魔法カード、成金ゴブリンを発動!プレイヤー壱のライフを1000回復させることで、デッキからカードを引くぜ」
「ちょっと酒田さん、ちゃんと名前で呼んでくださいよー」

 気弱そうな声が、すぐ横から聞こえる。誰かの部屋の扉が開き、特徴のない顔をした少年が顔を出した。

 プレイヤー壱 LP2000→3000

「はは、悪い悪い。だけどあとちょっとだ、俺たちよりも実力が上のこの化け物女を、俺たちのチームプレイで仕留めてやろうぜ!」
「は、はい!」
「チーム、プレイ………?」

 だいぶ何か言いたそうな夢想をきっぱりと無視して、酒田は今引いたものと合わせて4枚のカードをセットした。一応本人たちの名誉のために断わっておくと、決して普段の彼らはこのような真似をしない。その程度のデュエリストとしてのプライドは持ち合わせている。だが高い斎王の強い洗脳術とそれによって生み出された信仰心が、自らのプライドを踏みにじってまで斎王のために戦う道を選ばせたのだ。

「ターンエンドだぜ。ひとつ教えといてやるがな、今俺が伏せたカードは大革命返し、和睦の使者2枚、奈落の落とし穴2枚だ。もうお前がどうあがいたとしても、絶対にこのデュエルは終わらせられねえって寸法よ!」

 その言葉を裏付けるかのように、18個目の人魂がぼっと灯った。そしてそのまま、もはや存在を隠さなくなったプレイヤー壱のターンが特に何もしないまま終わり、19個目の人魂が灯る。
 夢想に残されたターンは、わずか1ターン。彼女がここから逆転をするには、この1ターンを駆使して酒田とプレイヤー壱のライフを0にしなければならない。
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