ターン35 光の結社とアカデミア−4F−
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そのたった一言だけで、僕らにとっては十分だった。もうそれ以上は振り返ることもせず、隠し扉の中に入る。どこまで続いているのかもよくわからないような薄暗い階段を、一段飛ばしで一気に駆けおりていった。
「さてと。ちなみに三沢、なんのデッキを使う気なんだ?」
「そうだな。やはりお前と戦うならば、この地のデッキ……もうわかっているだろうな、ジェムナイトだ」
「ジェムナイト……」
それを聞いた十代の脳裏に、かれこれ一年近く前の記憶がよみがえる。ノース校対抗戦の代表を決めるデュエルにおいて、三沢のジェムナイトと彼のHEROが真っ向からぶつかり合った日のことを。結局その時のデュエルはお互いにライフが0になる引き分けだったが、果たしてこの1年でより成長を遂げたのは一体どちらなのか。
その答えは、お互いのデッキだけが知っている。それをわかっているがゆえに、それ以上無駄話で時間を潰すようなことはない。デュエルをすれば、わかる。
「「デュエル!」」
先攻を取ったのは十代。ともに融合を使う2人の戦いは、手札消費が多いがゆえに後攻の方が動きやすい面があることは否定できない。だが、だからといって一歩も引くわけにはいかない。
「俺のターン、融合徴兵を発動!エクストラデッキの融合モンスターを相手に見せることでその素材の1体をサーチかサルベージできる代わりに、同名モンスターを俺は使用できない。俺はアクア・ネオスを見せて、その素材であるネオスを手札に加えるぜ」
十代の新たなヒーロー、ネオス。それを見た三沢がほう、と呟いた。
「なるほど、それがお前の新しいカードか。確かにこの目で見せてもらった」
「このターンはネオスの出番はないけどな。まずはお前だ、ワイルドマンを召喚!そして装備魔法、最強の盾を装備。このカードの効果で攻撃表示のワイルドマンの攻撃力は、その守備力の数値だけアップするぜ」
大剣を背負った筋骨隆々の野生児的ヒーローが、真新しい盾を左手に装備する。
E・HERO ワイルドマン 攻1500→3100
「なるほど、ワイルドマンの高い守備力を利用してきたか」
「へへっ、どうだ!俺はさらにカードをセットして、ターンエンドするぜ」
「確かに、1ターン目から手札消費2枚でトラップの効果を受けない攻撃力3100は大したものだ。だが、まだ甘い!魔法カード、ジェムナイト・フュージョンを発動!手札のジェムナイト・アンバー、サニクス、ルマリンの3体を素材として、融合召喚!出でよ、ジェムナイトマスター・ダイヤ!」
3つの宝石の輝きが空中で混じり合い、中心に静かに燃える青い炎のような輝きを宿す1つの輝石となる。大剣を手にしたその宝石剣士が剣を掲げると、白い照明に反射して七色
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