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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
砂漠に舞う妖精
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「はー、毎回だけど何でもかんでも唐突だろー」



***



 ……という訳で砂の中に引きずりこまれました。

「何でだよっ!」

 会心の一撃ならぬ会心のツッコミ。
 おっし、ツッコミを入れたところで状況を整理しよう。俺はポケモンの世界に来て、主人公と会って、バトルして、砂漠来て、悪の組織に遭遇して、砂漠来て、女の子の声がして、砂に引きずりこまれた。

 ……訳が分からないね。

 自分で言うのもなんだがこれ全部一日で起きてるんだぜ。もはや俺の適応能力の高さに自分で驚くレベル。俺凄え。
 で、今だが。

「砂の中にこんな空間があるとは」

 少し湿り気のある土に、空気。人やポケモンが活動するのには困らないであろう必要最低限の条件は整っている。

「うーむ、さっきの女の子らしき声の主はいないか」

 どこもかしこも土だらけ。唯一あげるとすれば天井が大きく開けーーこれに関しては俺が落ちてきた穴だろうーーそして右端に小さな通路があるくらいだ。

「あの子の話を信じるとするならばここはナックラーの巣穴か?」

 今俺は仰向けになっている訳だが、そのサイズで少し余る程度というのがこの穴の大きさだ。ナックラーの大きさを考えると丁度良い。

「とりあえずあの穴から出てみるか」

 この空間で唯一の通路らしき穴。おそらくナックラーの移動用であろうそれに俺は四つん這いになって這って行った。



***



 探索開始から10分。しかし目ぼしい物は見つからない。俺に助けを求めた女の子もナックラーも全くだ。

 しかし全体像は見えてきた。この空間の配置は俺の世界の普通の蟻と同じような一本道から各部屋に分岐していく型のようだ。

「おーい、聞こえるか?」

 俺の声が狭い空間に木霊する。

 ……返答、なしか。

 まあ予想はしていた。だが……もうこうなると最後の手段を取らざる得ない。



「出てきてくれ、フライゴン」



 モンスターボールを手に、軽く放る。



「フライゴーーン!」



 ふっふっふ。

 意外にあっさり出てきてびっくりしただろ。更にポケモンに抱きつかなくなった。
 俺だって成長しているということだよ、諸君。まあ決してフライゴンにスリスリしたくないわけではない。ただ、ちょっと真面目にしとかないと……女の子が助けを求めている、という一応シリアスな場面だから。

「ライゴーン!」
「お、おう、よしよし」

 フライゴン自分からスリスリして来た!やばい可愛い!アレだよ、ポケモン図鑑にあった通り。本当妖精!砂漠に舞う妖精の名は伊達じゃないぜ!

「……って、違う違う違う」
「ゴーン?」

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