動き出す黒
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夏未さん…お嬢様だから…」
「うぅ…ご、ごめんなさい…」
「じゃあ男子たちにならって…必殺ダブル茶碗!!」
あつあつのご飯を触らなくても済むように、心美は必殺のダブル茶碗を夏未に教えることにした。
「これにご飯を入れて、キャップをかぶせて…振る!こうすると…」
「はっ…!?」
「形は出来てるし少し冷めてるから、あとは手に水をつけて握ればいいよ」
茶碗である程度形を作ってから、素手で仕上げだけを行うというこの技。これなら夏未でも出来ると心美は考えたようだ。
「やってみて?」
「う、うん…」
しゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃかしゃか
「も、もういいんじゃないかな…」
「え、そ、そう…?
(パカッ)
と蓋を開けるとある程度形が完成している状態を少し感動しながら夏未は呟く。
「わぁ…!こ、これを握るのよね」
「そう」
にぎにぎ にぎにぎ
「で…できた…?できた!できたぁ!ほらほら、凄い!生まれて初めておにぎり握ったわ!!」
いろんなハプニングをあったが、炊飯器の中身が空っぽになるまで、ありったけのおにぎりを作った4人。出来たてをさっそくみんなの前に持っていくと、休憩を兼ねて食べさせてあげることにした。
「みんなー!」
「おにぎりが出来ましたー!」
「「「うおおおおおおお!!」」」
「いっちばーーん!!」
円堂がそう言い素手で、おにぎりを取ろうとすると、お嬢のビンタが円堂の手を襲う。
べしっ
「い、いってぇ!?何すんだよぉ…」
「手を洗って来なさい!!」
おあずけを食らって仕方なく手洗い場へ向かう俺たち。しかし、おにぎりが食べられるとあってその足取りは軽やかだ。
「おっにぎ〜りおっにぎ〜り〜♪うん?」
円堂がランラン状態で、水道に向かっていると、目の前から全てを見通した天才が現れた。
「(ふきふきふき)」
手を洗いに行って正解だったぜ!とばかりに、ゆうゆうと俺達を置いておにぎりへ向かう鬼道…。
すでにこの事態を見越して手洗い場へ向かっていた鬼道。俺は鬼道に向かい呟いた。
「……やっぱり鬼道は天才ゲームメーカーだぜ……」
というかこの鬼道の行動は想定外すぎて苦笑いを浮かべてしまった。
そして優しい鬼道はみんな戻ってくるまで待ってくれていた。
全員の手洗いが終わるまで、おにぎりに手をつけないであげるとはなんて鬼道のフェアプレー……。
鬼道…、俺は感動しているよ…
「ふふ、はいどうぞ!」
「「「いただきまぁぁーーす!!」」」
いよいよ心置きなくおにぎりに手を伸ばす俺たち。
一之瀬や土門は真っ先に秋のおにぎりに群がり、鬼
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