9話
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才ゲームメーカーだもんなぁ、神童は。
「…どうしたいんだろ、俺」
外に出れない。必然的にサッカーもできない。
屋上には行くけど、あれは外とは言わねぇよな。むしろ俺が認めない。
自分が病院から出れない理由がわかった今、俺は、どうすればいいんだろう。
発作がどんなものかはさっぱりわかんねーけど、酷ければ記憶がなくなるみたいだし。
…記憶がなくなるって、どんな感じなんだ?
ほんとに何も覚えてないのか?なにかきっかけがあれば思い出せるのか?
…海馬が消滅すれば、新たな海馬が生まれる。
もし俺が、太陽のことを忘れてしまったとして、太陽の記憶を保持している海馬が消滅したら、俺は、太陽のことを完全に忘れてしまうのか?
…謎が多すぎる。なんでまた新種のウイルスなんだよ。しかもとびきり面倒そうな。
わかんねー事考えてても仕方ねぇか。
じゃあ、これからどうしよう。
いつ発作が起きるかわからない。いつ忘れてしまうかもわからない。
全部忘れてしまう前に、やりたいことは全部やる…やりたいとこだが、無理だろうな。
「……外、出たいな…」
…?
外に出たい。
自分の口からそんな言葉が出て驚く。
何だよ、急にさ。
すべてが無駄だと思ってから、そんなこと一度も言ってねーのに。
「…わけ分かんねー」
誰にともなくそうつぶやくと、病室のドアが控えめにノックされた。
…誰だ?
優一さん…は階が違うからあんま自分からこねーし、太陽はそもそもノックしてこない。
「…どうぞ」
とりあえず応答してみると、入ってきたのは、
「し、神童…」
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