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剣の丘に花は咲く 
第四章 誓約の水精霊
第七話 誓い
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く水の精霊に向けると、水の精霊は再び口を開く。

「この者なら任せても大丈夫だと判断した」
「……さっきから疑問に思ってんだけど。随分とシロウのことを信用しているように見えるけど、何か理由があるのかい?」

 士郎と水の精霊の話し合いの間、ずっと黙っていたロングビルが、士郎の後ろから水の精霊に声をかけると、ぶるりと二度、三度身体を震わせ、水の精霊が答えた。

「その者から、微かにだが、同胞の気配を感じる」
「? 同胞? 水の精霊のことかい?」
「そうであり、そうでないと感じる」
「? どういう意味?」

 ぐにゃりと歪めたと思うと、ぶるぶると震え出すなど、忙しなく身体を蠢かしながら、水の精霊は話しを続ける。

「我にも分からない……ただ、その者から、我に近しい存在の気配を感じる」
「シロウから? シロウ、何か心当たりある?」

 ルイズが士郎の背中に声をかけると、腕を組んだ士郎が首を捻る。

「いや、ちょっと覚えがないんだが。どういうことだ」
「我にも分からないと言っただろう剣よ」
「剣?」
「シロウのこと?」

 水の精霊に問いただすと、どこか憮然とした口調で水の精霊が答えた。すると、水の精霊が最後に言った言葉に、ルイズが疑問を覚え質問する。

「そうだ。その者は剣だ」
「だからどう言う意味よ?」
「剣は剣としか言えん」
「……ふ〜ん。剣ね……ま、その通りだね」
「まあ、そうね」
「剣……確かにシロウさんは、剣ですね」

 疑問の答えになっていない言葉に、ロングビル、ルイズ、シエスタは頷いた。

「何で納得してんのよあなた達?」

 納得している三人の様子に、モンモランシーが不思議そうな顔を向ける。
 どう言うことだと、モンモランシーが三人に顔を向けるが、三人は互いに顔を見合わせると、ニヤリとした笑みをモンモランシーに向ける。

「「「ひ・み・つ」」」
「……何よもう」










 水の精霊が言うには、襲撃者は夜になると現れると言う。なので、士郎達は夜までラグドリアン湖の岸辺の林で、襲撃者が現れるまで待ち受けることにした。
 襲撃者に対応するのは、士郎一人ということになった。最初はルイズとロングビルも一緒に戦うと言うことになっていたが、二人の体調の関係から、残念ながら二人の参戦は見合わせることになったのだ。
 


 日が落ち、辺りに夜の帳が下りる頃、士郎の視界が、岸辺に近づく人影を捉えた。人影は二つ。百七十サントと百四十サント程度の身長の人影だ。夜の闇に紛れるように、フード付きの黒いローブを、人影は頭からスッポリと被っているため、男か女か判断することは出来な……くはなかった。ローブの端から覗く繊細な手や歩き方から、二つの人影が女性で
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