アイングラッド編
紅き剣閃編
Sardonyx―黒・白・紅
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ちてきてるわ。今最前線で戦っているプレイヤーなんて500人いるかどうかじゃない」
攻略のペースが落ち込んでいる原因には、難易度とモンスターのアルゴリズムにイレギュラー性が増してきていることにもある。
そのせいで極まれに攻略組でもマッピング中に死者を出してしまうことがある。
俺はせめてソロプレイヤーの危険を減らそうと攻略中、キリトとは一定距離以上開けていない。もちろん、出来る限りだが。
「でも、わたしは帰りたい……だって、あっちでやり残したこて、いっぱいあるから」
「そうだな。俺達が頑張らなきゃ、サポートしてくれる職人クラスの連中に申し訳が立たないもんな……」
「俺も、まだやるべきことが残ってる。それを終わらせなきゃ死ねないな」
そう、まだ俺にはこの世界でもむこうでもやることが残っている。それらはとても大切なこと。俺にこの何かを『守る』という気持ちを教えてくれたこいつらに、人のことを『想う』気持ちを教えてくれたあいつらに報いる。それが俺の成さなければならないことだ。
「ねぇ、2人とも。君たちはギルドには入る気はないの?」
「え……」
「…………」
「ベータ出身者が集団に馴染まないのはわかってる。でもね「アスナ」なに?」
俺は彼女の言葉を遮り、それ以上言わせるのを阻止する。
「心配なのはわかる。だが、その議論はすでに決着がついてることだろう?……ベータ出身者がギルドに入って成功したケースはほとんどない。大半が脱退、追放されている。……俺はベータ出身者ではないが、ギルドのノルマをクリアしている時間はないし、俺の場合パーティメンバーが危険なんだ」
「それって、どういう……」
その時、キリトがギンッとおとがしそうな眼でこっちを睨んできた。『余計なこと言って、俺を巻き込むな!!』と、言っているようだ。
「まあ、とにかくだ。俺達に付いて来ようなんて考えるな」
「あら」
ちかっ、と目の前を銀色の閃光がよぎった。
細剣スキルの基本技《リアニー》だ。それがキリトの鼻先に突きつけられている。
そこでキリトに絡むのは何でだ?
「……はぁ。わかった、悪かった。じゃあ……明日朝9時、74層のゲートに集合な。キリトも」
「おいっ!?……はぁ……」
用事があると言って先にアスナの部屋を出た俺はその足で反対側の住宅地に来ていた。
転移門に程近いそこには巨大な城が建っていた。正面には音符に剣を2本クロスさせた絵が描かれている旗が垂らしてある。
現在、総メンバー45人を抱えるギルド、オラトリオ・オーケストラのギルドホーム、通称『旋律の城』。
門番をしているプレイヤーに用件を言い、中へ入る。
勝手知ったる廊下や階段を歩いていき、最奥の部屋にた
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