第八十六話
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領で俺を蹴りつけてきたのだ。勢いの乗った蹴りを受けた俺は吹き飛び、そのままビルの壁にぶつかって止まると、サティはそこにS&Wの弾丸を放つ。
「このっ!」
ビルの壁を蹴って空中に飛翔することで、その銃弾を避けながらサティへと接近する。サティは伸ばしたアンカーを回収して空中に避難しながら、回避する術がない空中へと躍り出た俺に、再度銃弾をぶち込まんとS&Wを構える。
「オッ……!?」
しかしS&Wが発射されることはなく。その銃身には、俺が念のために買っていたナイフが深々と突き刺さっており、発射するための構造の一部が破損していた。
「投げナイフには予測線は出ないだろうな……!」
弾道予測線は確かに便利な存在だが、その名の通り弾道にしか反応しない。俺が空中へと飛び上がると同時に投げられていたソレに、愛銃を破損させられたサティが動揺している隙に、その腹部へと飛び蹴りを叩き込む。
「うぉ……」
ミシリ、と音をたてて脇腹に蹴りが炸裂し、空中でさらにもう片方の足を動かす。アンカーで空を舞うために軽量装備のサティは軽く、もう片方の足をさらに頭部へとかかと落としの要領で蹴り込み、無理やり地上へと突き落としていく。
「トドメだ!」
最後に地上に突き落とされたサティに対し、両手で構えたAA−12を向ける。そのまま自分も、自由落下に身を任せながらAA−12の引き金を引くと、空中からサティに対し金属製の雨が降り注いでいく。アンカーを伸縮させて空中に逃れようとしても、その空中から放たれるAA−12からは逃れられない。
しかしサティもそれだけで終わる相手ではなく。今まで使っていた左手のアンカーを切り離し、右手から新たなアンカーを放ち側面の瓦礫に巻き付かせ、そのアンカーを伸縮させる――これらを銃弾が迫るまでの一瞬でやってみせると、右手のアンカーに引っ張られて側面に高速移動し、AA−12の弾幕の外へと一瞬で退避することに成功する。
「避けられたか……!」
「遅かったなぁ!」
俺が空中から瓦礫の山に着地する間に、サティは素早く新たな拳銃を左手に持ち直し、右手のアンカーをビルの屋上に巻き付かせる。空を飛翔する装備へと素早く持ち直すと、サティは再びアンカーによって空へ舞っていく。今度は先のような攻撃は通用しまい、どうするか……などと考えていると――別の銃声がその空間を支配した。
「水入りかぁ!?」
新たに発されたのはアサルトライフルの銃声。どこからか放たれたそれは、サティの使っていたアンカーを的確に撃ち抜き、再び地上へと落下する。クラクラとしているらしい頭をはっきりさせるサティを後目に、こちらも今の銃弾がどこから来たか確かめる。
――そこで見たものは、死神だった。
「――避けろ
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