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魔法少女リリカルなのは 龍皇の軌跡 現在連載停止中
嵐の前の嵐
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side シルフリード

私は今、イクスを抱きかかえて地上を走っている

『フィルス、フィルス聞こえる?』

『奥さま!?どうなされました』

『アイオスの王が私達の城に、それに兵も全滅してて、民の避難を。今すぐ』

『了解しました。奥さまも早くこちらへいらして下さい』

「いたぞー」

目の前に黒塗りの鎧を身に纏った兵が三人私達の前に立ち位置を知らせる

『見つかった。通信を切ります、民の方、頼みましたよ』

『分かりました』

私は立ち止まってイクスを降ろす

「お母様」

イクスが心配そうな表情で私を見つめる

「大丈夫です。私のそばから離れないで」

コクリと頷いたのを見ると私はアイオスの兵に目を向ける

たかが女二人、そう思っているのか構えが甘い。それでは私の的ですよ

そう思いながら右手を前にかざす

目の前に円形の、中心に十六亡星が描かれた魔法陣が現れる

「龍罰・炎の剣」

魔法陣の中心から先の尖った炎の砲撃が一直線にアイオスの兵をとらえ、爆発する

パチ パチ パチ パチ

上の方から手を叩く音が聞こえた

私は音のした方へと炎の剣を放つ

「パンツァーシルト」

ドオオン

防がれた、そう思った瞬間

「縛れ、鋼の軛」

白い杭の様なものが私の体を突き刺す

「お母様!!」
 
イクスの悲痛な叫びに私は笑顔で答える

「大丈夫ですよ、イクス。このくらい攻撃の内に入りません」

パリイイイン

白い杭が砕け散る

「ほぉ、盾の守護獣の軛を破るか、お前もなかなか興味深い」

「ガッシャ…」

目の前にはガッシャとザヒィーラがいた

「お母様」

ギュッと私の服をつかむ手が強くなる

「だが、おれが求めるのはコアのみ。惜しいがお前には消えてもらう」

そう言って槍の穂先を上に向ける

「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて打ち貫け」

「龍罰・炎の」

「石化の槍、ミストルティン」

「剣舞!」

銀色の光線と無数の炎の砲撃がぶつかり合う。しかし

「なっ!」

相殺できたのは一つだけ、後から連続で同じ魔法が私達に向かって飛来する

「くっ…うう」

その攻撃を全て体で受け止める

side out

side イクスヴェリア

私をかばってお母様の体が顔を除いて石化している

「はっはっはっまさかミストルティンを体で受け止める大馬鹿者がいるとはね。冥王の親は二人とも
 バカなのか?」

二人とも…その言葉に私はひっかかりをおぼえる

「それは…どういうことですか」

気付けば私はガッシャに問いかけていた


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