暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
押し寄せしモノ
ダークグラスパー
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 どうもトゥアールは、観束総二の返信するテイルレッドさえ誤魔化せればいい……と思っているようだ。
 が、実際の所グラトニー達の発言や、トゥアールがイースナではなく自分へ言い訳している様な発言だった事もあり、疑いの心はMaxで広がって弁明しても既に手遅れなのだが。


 ただ自分の中では水に流せたと思っているらしく、トゥアールの声は先までの嫌に真剣味を帯びた、シリアスモードなモノへと戻る。


「……今は、ただ戦うだけの日々……誰かのケアなどおこがましい事はできません」
「遠慮はしないでほしいのじゃ! 今まで妾達のアフターケアを担ってきたというのなら、今度は妾がそなたのアフターケアをして見せよう! 二十四時間何時如何なる時も、メールを貰えれば三分以内に返信する! 約束しよう!!」

(……なんとなく、トゥアールが避けようとしている理由が見えてきた……)


 イースナの気迫たるや、それこそ食事中でもテレビの大事な場面でも、熟睡していても飛び起きて形態を握る……と、そう思っても不思議ではないオーラが放たれていた。

 そして注意深く見れば分かる、きれいとは言えない目の色と必死さ……如何に鈍感な人間でも、何が起こるかが想像できる。


「無駄ですよ。貴女にアルティメギルを抜けるようにと、そう説得しお願いしても変わらないように」
「! ……くうっ」


 否定できる事ではなかったようで、目の端に涙を溜めたまま、イースナはマントを翻してテイルレッド達に背を向ける。

 同時に極色彩の膜状を持つゲートが現れた。


「其処まで固い決意ならば仕方無い、今日の所は引き揚げる……だがトゥアール! 妾は決して諦めはせぬ! 幾つもの世界を渡り歩き、ようやく出会ったのじゃ!」
「……」
「そして、これだけは覚えて置いて欲しい……妾は何も仇なす為に軍門に下った訳ではなく、妾の大切なモノを守る為に与したのだと!」


 その言葉は今までの無駄に次ぐ無駄な会話と違い身のある物で、何よりテイルレッドが一番聞きたかったものであったのだが……もうそれを聞く時間は残されていない。


「最後に言っておこう…………妾のメールアドレスは、あれから変更しておらんからなっ!」

「『最後にそれかよ』」


 捨て台詞に重なるツッコミを受けながら、イースナは光膜の中へと消えていった。

 そこでトゥアールは仮面を脱ぎ棄てると、軽く頭を振って髪を整え、静かに青い空を見上げた。
 テイルレッドも緊張感から解放されたとばかりに、肩の力を抜いて行く。


「えーと、お前の世界の人間だってのは分かったけどさ。どうも話してるだけで齟齬があると言うか……何なんだ、あの子?」
「総二さまも分かる筈です、多くのファンを持つリ
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