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寄生捕喰者とツインテール
新たな波乱が地に降り立つ
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hahahahahahahahahahahahahahah!!!!!
「……まず開く」


 気が動転したのか、全く意味の無い言葉を口にし、しかしその言葉通りに手を開いて、赤くおぞましい “掌” へ自分の掌を翳す。


「……どかん」


 そして握り、彼女の目の前一杯に、体を悠々と覆い尽くす業火が晒された。


「……!」


 唐突に業火の進行は止まる。 バズッ! という……余りに鈍い、鈍い破裂音を伴って。

 燃え盛る大火により音は止まず、しかし硬直が一瞬場を支配した、次の瞬間――――


「Ahahahahahah!? Ahahahahahahahahahahahah!!!」


 何とウージの体から無数の『柿色』の破片が飛び出し、四方八方へと無造作に飛び散っていった。
 駄目押しとばかりに炎のエネルギーが暴れ出し、使用者のウージですら吹き飛ばされてしまう。


「……決まった」
『炸裂! っテナ!』


 これのカラクリは意外と単純で、石槍の外側と内側のそれぞれ()()()()()()、砕け散る寸前で固定を力を掛け、内側だけ固定を解いて爆散させたのだ。
 “腕” の頭ではまず考え得ない戦法で、ラースの助力があったからこそグラトニーも成功した。


 つまり先までの無駄な高速移動も、腹に埋め込んだ石の槍も、全てはこの為の布石だったのだ。


 理性を飛ばし無駄な攻撃を討たせ、刺さった岩すら構わせないほど興奮させ、敵のエネルギーでも借りてダメージを与える。
 決め手に欠ける能力を埋めるべくとした……この策の為の。

 内側から猛烈な斬撃を受けたウージは転がり、それこそ左腕を破壊されたグラトニーそっくりの、気の荒れようを見せていた。


v?()……l()?」


 これぞ悪足掻きと言わんばかりの、強引な抵抗をつづけるべくとして、顔を上げたウージに迫るのは、


「ラース助力強化……自分式―――」


 各所が壊れていて尚、血を流していて尚、美しく紫色のツインテールを靡かせる、一人の少女だった。


「《ブレーク=マグナム》!!」
「Ah―――Ahahahahahahah!!!」


 渾身の力で撃ち込まれた柿色の拳により、ウージは今度こそ転がったまま動きを止めた。













 先までの爆音や、突風騒ぎはいったい何だったのだろうか……よもや夢幻なのでは……そう思わせるほどの穏やかな静寂が、暖かな日差しと共に訪れていた。


 ……もう、森も工場跡も、綺麗さっぱり消し飛んでいる。地面なんて黒焦げで無い部分や、抉れていない部分を探す方
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