新たな波乱が地に降り立つ
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
hahahahahahahahahahahahahahah!!!!!
「……まず開く」
気が動転したのか、全く意味の無い言葉を口にし、しかしその言葉通りに手を開いて、赤くおぞましい “掌” へ自分の掌を翳す。
「……どかん」
そして握り、彼女の目の前一杯に、体を悠々と覆い尽くす業火が晒された。
「……!」
唐突に業火の進行は止まる。 バズッ! という……余りに鈍い、鈍い破裂音を伴って。
燃え盛る大火により音は止まず、しかし硬直が一瞬場を支配した、次の瞬間――――
「Ahahahahahah!? Ahahahahahahahahahahahah!!!」
何とウージの体から無数の『柿色』の破片が飛び出し、四方八方へと無造作に飛び散っていった。
駄目押しとばかりに炎のエネルギーが暴れ出し、使用者のウージですら吹き飛ばされてしまう。
「……決まった」
『炸裂! っテナ!』
これのカラクリは意外と単純で、石槍の外側と内側のそれぞれ二層に分けて、砕け散る寸前で固定を力を掛け、内側だけ固定を解いて爆散させたのだ。
“腕” の頭ではまず考え得ない戦法で、ラースの助力があったからこそグラトニーも成功した。
つまり先までの無駄な高速移動も、腹に埋め込んだ石の槍も、全てはこの為の布石だったのだ。
理性を飛ばし無駄な攻撃を討たせ、刺さった岩すら構わせないほど興奮させ、敵のエネルギーでも借りてダメージを与える。
決め手に欠ける能力を埋めるべくとした……この策の為の。
内側から猛烈な斬撃を受けたウージは転がり、それこそ左腕を破壊されたグラトニーそっくりの、気の荒れようを見せていた。
「v?……l?」
これぞ悪足掻きと言わんばかりの、強引な抵抗をつづけるべくとして、顔を上げたウージに迫るのは、
「ラース助力強化……自分式―――」
各所が壊れていて尚、血を流していて尚、美しく紫色のツインテールを靡かせる、一人の少女だった。
「《ブレーク=マグナム》!!」
「Ah―――Ahahahahahahah!!!」
渾身の力で撃ち込まれた柿色の拳により、ウージは今度こそ転がったまま動きを止めた。
・
・
・
・
・
先までの爆音や、突風騒ぎはいったい何だったのだろうか……よもや夢幻なのでは……そう思わせるほどの穏やかな静寂が、暖かな日差しと共に訪れていた。
……もう、森も工場跡も、綺麗さっぱり消し飛んでいる。地面なんて黒焦げで無い部分や、抉れていない部分を探す方
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ