暁 〜小説投稿サイト〜
東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第0章:幻想に囚われた少女
プロローグ:幻想世界に輝く流星
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 「っと、そろそろよ」

 紫が上空を指す。本来なら今日の天候は曇りであるのだが、霊夢が張った結界によって雲は遠ざけられている。
 ──と。

 「わぁ……」

 今までに見た事も無いような、無数の流星群の雨が天を駆けた。
 それにしても量が多い。パッと見ただけでも100、いや、200はあるだろう。ここまでの量は最早異常だ。

 先ずは願いを捧げ、十分だと判断すれば杯に注いだ酒に口を着ける。
 かれこれ5分は経っているが、未だその流星雨は止まることを知らない。
 その中でも、一際大きな彗星が瞬いた。

 魔理沙はその彗星に目を奪われ、霖之助の口からも感嘆の声が漏れる。かくいう霊夢もその彗星に見惚れていた。

 「……っ!」

 紫だけは、その限りでは無かった。
 すぐさまスキマを展開した紫はその奥へと消え、彗星も──

 「……長い、わね」

 「長い……な」

 彗星にしてはやけに長く、ただただ美しく輝いている。
 行く所まで行った彗星は、いずれ東へと落ちていき──

 凄まじい轟音と共に、幻想郷全土を揺らした。

 「ふわっ!?」

 咄嗟の判断で空に浮かび、大地の揺れから逃れる。
 見れば彗星の落ちた方角から輝きが漏れ、夜の幻想郷を眩く照らしている。

 ──兎も角、向かわなければ。

 霊夢の博麗の巫女としての意地が、驚愕から使命へと、その思考を切り替えた。





 ────────────





 「──あ──ぁ──」

 呼吸もままならない。苦しい。苦しい。
 目の前は真っ白だ。何も見えない。眩しい。
 耳もマトモに働かない。いや、少しだけ聞こえる。
 なんと言っているのだろう。

 ──ま…か、人…ん!?

 ──は…く…せろ!え……ん…いにつ…てく!

 まだ幼さの残る少女の声だった。
 焦っているようだ。声が微妙に聞き取れないから、何に焦っているのかは分からない。

 ──っ…く!な…でこ……時……!

 というか声可愛い。何この子可愛い。絶対美少女であるべきそうすべき

 ──と、視界が微妙に開けてくる。が、意識が再び閉ざされようとする。

 せめて……せめてこの美少女(未来形)の顔だけでも拝まなければ……ロクに気絶も出来るものかぁぁぁぁぁぁぁっ!
 無駄な所に命を燃やすあたり、やはり自分もオタクである。が、今は余分な体力を使う余裕はない。

 命をぉぉ……燃やせぇぇぇぇぇぇぇっ!!

 カッ!見えたっ!

 赤いリボンの、艶のある黒髪。その服は紅白の巫女服である。ってこの服装どっかで見たような──

 ──あ

 「YR1(やっぱり霊夢ちゃんが1番可愛いです)……
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