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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第0章:幻想に囚われた少女
プロローグ:幻想世界に輝く流星
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、今までこの道は1年以上通っているが、工事があった何てことは無い。
 ……ふと、何故か興味が湧いた。
 普段はこんな未知の道があっても(親父ギャグにあらず)興味を惹かれる何ていう好奇心旺盛な性格はしていない。けれど、何故かその道にはとても興味を惹かれたのだ。

「……ちょっとだけなら」

 自転車が入るような広さは無かったので、自転車を適当に留めて小道に踏み込む。
 その小道は特別汚いという訳でも無かったが、清潔感があるという訳でも無い。
 陽が当たらない分、寒さは増している。細道に溜まった寒気が、容赦なく柔肌を撫でる。
 だが、そんなモノは些細な事だと言いたいかのように、意識は奥へ、奥へと。

  パキンッ!

「ッ??」

 ガラスが割れるような音。足元から鳴った所を察すると、なにか窓ガラスか何かの破片を踏んだか。
 そんな予想と裏腹に。

 ──おいで。

 その、視線の先には。

 ──おいで。

「……ッ!何……これ……っ??」

 ──此処は。

 突如出現した「罅割れ」が。

 ──君の居るべき場所ではないよ。

 ■■■■の足を、飲み込んでいた。


「っ!抜けない??なんで!?なんで??」

 罅割れは大きくなっていく。パキリ、パキリと『穴』が広がり、更に中からは無数の白い手が、■■■■の足を引きずり込もうと、その手で■■■■に絡み付いていく。

「やっ、やだっ!離してっ!助けて!誰かっ!」

 助けを求めても、誰も答える者は無い。それどころか、今まで進んだ道は既に無い。
 罅割れは拡大し、既に体の半分程が罅割れの奥の世界へと引きずり込まれている。
 何が起きているのか。どうすれば良いのか。
  そんな事は、今の■■■■に分かる筈もなかった。

「誰……か……」

 伸ばした手を取る者は。

「……おとー……さん……おかあ……さん……」

 誰も居ない。


 ──助……けて。


 虚ろな意識は、そこで途絶えた。






 ────────────






「ったく、なんたって紫が居るのよ」

「あらあら、良いじゃない別に。一回くらい混ぜてくれたってバチは当たんないわ」

 指定された場所にやってきた霊夢と魔理沙を迎えたのは、霖之助と共に居た八雲紫であった。
 霖之助によると、魔理沙が香霖堂を訪れた直後にやってきたらしく、自らの同行を申し出てきたらしい。

 「ったく、アンタならいつでも見れるでしょうに」

 「つれないわねぇ」

 紫は不満気に頬を膨らませ、そしてすぐに悪戯っ子のような笑みを浮かべる。そこまでして紫が見たいほど、今年の流星雨は特別なのだろうか。

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