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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
龍皇の遺産
クエストに出掛けよう 01
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ついでしょ? ボス戦までにはなんとかしないとだったろうし、この辺りが良い頃合いかなって。 えっと……ダメ、かな?」
 「んー、了解ですよー では、今日はそのクエストに挑戦しましょー」
 「うん。 じゃあ、準備しないとね」

 武器の限界に気付いていたアマリは、思いの外あっさりと了承してくれた。 それが嬉しくてにやけそうになる顔をなんとか制御する。
 幸い、アマリに気付かれなかったようで、いつもの口調で会話が進んだ。

 「それで、それはどんなクエストなのですか?」
 「ん、ああ、それがさ。 どうにもクリアした人がいないらしくって、どんなクエストかの情報はさっぱりなんだよね」
 「……それ、大丈夫ですです?」
 「大丈夫だよ。 誰もクリアできてないのは、クエストの発動条件が厳しくて、そもそも誰もクエストに挑戦できてないからみたいだし」

 誰もクリアできてないクエストなんて聞けば、それに危機感を抱くのは当然だけど、僕はそれなりの確信を持って大丈夫だと言える。

 「2人パーティー限定クエストみたいだからね。 だから当然、2人でクリアできる難易度に設定されてるだろうし、いくら70層と言っても、最前線より強いモンスターが出るとも思えない。 退路の確保は当然するけど、そこまで危なくはないよ」

 それに、と僕は笑って見せた。

 「それに、僕たちならどんな難関クエストだろうと余裕でしょ?」

 自信と信頼に満ちた僕に対する返答は、言葉ではなく笑みだった。
 普段の穏やかな笑みでも、苦笑でもない。 きっと僕が浮かべているであろう、ニヤリと言う笑み。
 それだけで返事としては十分過ぎた。

 「でも、それでも誰もクリアできてないなんて不思議ですねー。 コンビで行動してるパーティーは確かに珍しいですけど、私たちだけじゃないですよ?」
 「ああ、それはもう1個、かなり特殊な条件があるからだよ」
 「ですです?」
 「結婚してないとダメなんだってさ」
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