小さな拳
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
間性に惹かれ、そう言う。
「はい!私なんかでよければ・・・」
「違うよ。友達同士の返事」
「え?」
遠慮がちに言うウェンディにシェリアは笑顔で手を差し出す。
「友達になろ!!ウェンディ」
「うん!!シェリア」
ウェンディも笑顔でシェリアに返事をし、2人は立ち上がって握手を交わす。大魔闘演舞というギルド同士の戦いの中で生まれた他のギルドの者との友情。その姿は美しく、見るものすべてを感動に包み込んだ。
『なんと感動的なラスト!!オジサン的にはこれで大会終了!!』
『これこれ、3日目終了じゃ』
あまりの感動にチャパティが大魔闘演舞の幕を下ろそうとしたがヤジマが冷静にそう突っ込みをいれる。
『皆さん、ありがとうございました!!』
チャパティも冷静さを取り戻し、3日目の終了を会場にいる観客に伝える。
熱い友情の握手を交わすシェリアとウェンディ。それを蛇姫の鱗のこの少年は羨ましそうに見つめていた。
「いいなぁ・・・シェリアは」
ボサボサに伸びた金髪ヘアの少年レオン。そう呟くレオンの頭に、いとこであるリオンが手を置く。
「羨ましいか?レオン」
「ちょっとね」
リオンの問いに闘技場を見つめたまま答えるレオン。リオンはそれを見て、「フッ」と笑みをこぼし言葉を続ける。
「だったらお前も、この大会で誰かと戦って、互いに分かり合える者を作るんだな」
「え?」
「仕事先で以前会ったタクトにせよソフィアにせよ、大会前に偶然会ったシリルにせよ・・・はたまた別の誰かでもいい。拳を交えたからこそ相手のことが分かり、強い絆が生まれることもある。
かつての俺のようにな」
リオンは7年前、零帝と名乗り不死身の悪魔『デリオラ』を復活させ、倒そうとしていたことがあった。
全ては昔自らの命と引き換えにデリオラを封じ込めた師匠ウルを超えるため。夢の続きを見るために。
しかしそれは偶然仕事の依頼を受けてやってきた自身の弟弟子であるグレイの活躍により阻止されてしまった。
師匠ウルのことで仲違いしていた兄弟子と弟弟子。しかし偶然が重なり再会を果たした2人は自分の想いのためにぶつかり合い、結果として互いを認め、現在も良好・・・といえるかは分からないが深い絆で結ばれている。
「そういうんじゃないんだけどな・・・」ボソッ
「ん?何か言ったか?」
「いや・・・別に・・・」
レオンは思わず苦笑いする。確かに互いに認め合い生まれた固い絆は羨ましい。レオンにはそのような互いを分かり合い、笑顔で話せる友人などいない。
よく勘違いされるがタクトもソフィア偶然仕事であった話ができる若手魔導士でしかない。シリルに至っても偶然道に迷った彼が自分に道を尋ね、それで年齢
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ