cannibalism
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を見開く。
「誰がなんと言おうと俺はお前の味方だからな」
「はい……」
達也の言葉に目尻に涙を浮かべて頷くと地面を強く踏みしめた。
? ? ?
「おじゃましま〜す」
「うおっ!? ちょ、俺の布団には入って来んなっていったろ」
電気の完全に消え、真っ暗になった散らかった部屋で物音一つ立てずに近寄ってきたらしいマキの顔が視界いっぱいに写り、心臓がドキリとなった。ハラビロカマキリの因子のせいでこいつは夜目がかなりきくんだよな……。
「フフフ、何照れちゃってるんですかぁ?」
「くっ……」
夜になるとこいつは突然態度が大人っぽくなる。暗闇の中、薄っすらと見える彼女の色っぽい表情に不覚にも体の体温が上がってくるのがわかる。
「!?」
布団の中でマキが足を絡めてくる。彼女のほのかな体温が直接伝わり体の筋肉という筋肉が硬直する。
「達也さん」
「ん!? んあ、な、なんだ」
胸に腕を回してきたマキがガッチリと俺をホールドすると、顔を埋めて言った。
「ファミレスの時、ありがとうございました……」
気のせいか、彼女の声は少し震えているように感じた。
「気にするな、時間帯を考えなかった俺も悪かったしな」
夜目の効く彼女に赤くなっている顔を見せるのがシャクなので顔を背けながら言う。
「私達が……認められる日って来るのでしょうか……」
「……………」
疑問というよりも呟きに近いマキの声に俺は応えることができなかった。答えの代わりに彼女の頭に手を置き、優しく撫で続ける。
ずっと……、ずっと。
? ? ?
ドンドドン ドンドドン ドドンドンドドン ドンドドン ドンドドン ドドンドンドドン
まん丸い月が浮かんでいる漆黒の夜空に太鼓の音が響き渡る。今日は町内会で行われる、小さなお祭りの日だった。
「達也さ〜ん! はやくはやく〜」
「はいはい、そんなにはしゃぐなって……」
今日は彼女に武器を持たせていない、無論俺も武装を見えないようにしていた。民警とイニシエーターが居るとわかると祭り自体の雰囲気が悪くなりそうだしな。
「あ、あの……これ、似合ってますか?」
祭りが行われている公園に入る前に、マキがはにかみながら聞いてくる。彼女は今日、俺がプレゼントしたアサガオの刺繍の入った白の浴衣を着ていた。月光に照らされた浴衣姿の彼女はとても可愛く、彼女が振り返ってこちらを見つめるたびに、悔しいが思わず胸が高鳴ってしまう。
「ん……まあいいんじゃねえの?」
彼女に悟られないように俺は冷めた目で夜空を見上げなが
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