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ブラック・ブレット 〜cannibalism〜
cannibalism
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す!」

 マキはワタワタと両手を振りぐっと拳を作り胸に当てる。その動作が愛らしく達也は思わず微笑んだ。

「これ、お前の武器な。明日から依頼はいると思うから頼んだぞ」

「は、はい!」

 達也から直接手渡された漆黒の二本のククリをマキは大事そうに胸に抱える。

「ニヘへェ……」

「そ、そんなに嬉しいのか……?」

 頬を緩ませながらスリスリとククリに頬擦りしているマキに苦笑しながら達也は聞く。

「はい、達也さんから物をもらうなんて初めてなので……」

「そ、そうか……」

 そう言われてみて思い返してみると、マキに何も買ってあげれてないことに達也は気づく、それと同時に彼女に初めてプレゼントした物がククリなんて物騒なものなことに自分を情けなく感じた。

「よし、今日はファミレス行くか!」

 達也は沈んでしまった表情をごまかすようにわざと明るい声を出す。
 するとマキは大きな瞳を見開き表情を更にパアッっと輝かせた。

「ふぁみれす……! 達也さん大好き!!」

「うぶっ!? は、放せよ」

「嫌ですぅ、離しません!」

 両目を緋色に輝かせたマキの強力な抱きつき攻撃に達也は目を白黒させ、必死に引き離そうとするがマキは彼の腰にヒシと抱きつき離れようとしない。


 ゴキ


「あ、あ……やば……こしが……」

「キャー! 達也さん!?」

 黄昏色に染まった空に続くひび割れた歩行者道路を微笑ましいやり取りをしながら達也とマキは歩いていく。



 ? ? ?



「!? い、いらっしゃいませ……。に、2名様でよろしいでしょうか?」


 達也とマキがファミレスの中に入ると、マキを見て一瞬目を見開いた定員が恐る恐るといった口調で聞いてくる。達也は思わず額を抑え、ため息をつきたくなる衝動に駆られるがなんとかこらえる。

「あぁ、二人だ」

「か、かしこまりました、こちらへどうぞ……」


 達也が口を開くとビクリと肩を震わせたファミレスの店員は端っこの方の席に達也たちを案内する。

「ねえ……あれ……」

「呪われた………よ……」

「とっとと……ねば……のに……」

 丁度夕食を取る時間帯だったので店の中には家族連れが何組も居た。彼らは声を抑えながら敵意のこもった視線をこちらに向け小声で呟き合っている。普段この時間帯にファミレスに入ったことがなかったためこんなに人がいるとを予想していなかった達也はしまったと思い、こめかみの辺りをギュッと抑えたくなる。

「………」

 マキが瞳に涙を浮かべながら立ち止まり、小さな両手を握りしめる。

「聞くな」

「!?」

 突然両耳に温かいものが触れ、マキは両目
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