cannibalism
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れ言うと結構洒落にならないからやめてくれよ……」
少女の言葉にウエッという表情をする。
「むぅ……」
そんな少年をプクッと頬を膨らませて睨む。正直全然迫力がなく、むしろ可愛らしい。
「さ、飯できたから戻るぞ」
「は、はい……」
まだ名残惜しそうにハラビロカマキリの共食いを見る少女の手を引きながら少年は公園を後にした。
? ? ?
数日後
「ルン♪ ルン♪ ルン♪」
「偉いご機嫌だな、マキ」
月明かりに照らされた硬いアスファルトの上を軽い足取りで歩く少女と重い足取りで歩く少年が居た。黄緑色の髪をクルクルといじりながらマキと呼ばれた少女は言う。
「だって、達也さんとの初めてのでーとなんですよ。キャー!」
「行き先は武器屋だけどな……」
勝手に頬に手を当ててクネクネしているませた10歳児に苦笑しながら達也と呼ばれた少年は歩を進める。
「お〜、タッちゃんか!」
しばらく歩くとたくさんのバラニウム製の武器が置いてある店に着く。すると中から親しげな声と共に筋肉隆々で頭をスキンヘッドにした大男が現れた。
「こいつの―――――――マキの武器を取りに来たんだけど出来てる?」
達也も消して身長は低い方ではないが彼と話すときは顔を上げなければならない。
「おう、もちろんだぜ! たしか……バラニウム製のククリだったな」
達也の質問にスキンヘッドの大男はニカッと白い歯を見せ人懐っこい笑顔を見せると店内に入り漆黒のククリを二本持ってきた。湾曲した刀身の短弧側に刃を持つ湾刀を直接マキに渡そうとするが、どうやら自分よりはるかにでかい相手に物怖じしているらしくマキは達也の背中に隠れたままだった。
「まだ怖がられてるか……」
スキンヘッドの大男はしょんぼりすると達也に漆黒のククリとそれをしまうためのベルトを手渡した。
「はいよ、お代は前回の時にもらってるからいらないぜ」
「おう、さんきゅーな」
「毎度ありがとうございました!」
巨体に物怖じせずに対等の言葉をかわすと、達也は手を振って武器屋を後にした。
「マキ、お前まだあいつが怖いのか? いい加減お前は人嫌い直せよな」
達也の言葉にマキはうつむきながら答える。
「私は……達也さん以外の人間が怖いです。彼らは……私達『イニシエーター』を傷つけることしかしない」
「!?」
マキの放ったオーラと言葉に何かを思い出したのか達也はハッとした表情をする。
「す、すまん……今のは俺が軽率だった」
達也は視線をそらし、頬をかきながら謝る。
「き、気にしないでください! 私も頑張って人になれるよう努力しま
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