料理
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「み、見た目が……異常なまでに真っ赤だよ。まるでマグマのようだ……」
「むぅ……いくら教主殿が作った物でも、これを食うのは少し抵抗感があるな……」
「眼もさっきからヒリヒリして痛いし……これって何なのサバタさん?」
「物凄く辛い麻婆豆腐。中華料理店“泰山”のレシピを俺なりにアレンジしたものだ」
こ、これが……麻婆豆腐!? いやいやいや!? これ麻婆豆腐という名前だけの実質兵器だと思うよ! だってこれ明らかに食べたら味覚が崩壊しそうな色合いだし、匂いだけでもその辛さが何となく伝わって来て喉が渇いてくるよ!? それに試食係のレヴィもこれを食べなければならない事を想像して涙目になってるし、むしろ哀れに思えてきたよ!
「やはりこの刺激的な色には抵抗感があるか。ま、騙されたと思って試食してみるといい」
サバタさんはそうやって激辛麻婆豆腐が注がれた皿をぐいぐいと私達に勧めてきた。恐る恐る受け取った私達だが、あまりの赤から発せられる威圧感を前に、誰も口に運ぼうとはしなかった。だが……驚いた事に私達の中から一人、この赤い悪魔に挑む人間が現れる。サバタさんが作ったんだから、激辛でも美味しいはずだと信じて彼女は……マキナは意を決した表情のままレンゲで麻婆豆腐をすくい、目をつむって一気に口の中に入れた。そして次の瞬間………カッと覚醒したように目を見開いた。
『愉悦が……ここにあった……! マジで美味いッ!!』
その後、まるで使命に駆られるかのようにマキナは麻婆豆腐を凄い勢いでがっつき始める。あの真っ赤な食べ物が少女の口の中に入っていくのを、私達が呆然と見守る中、作り主のサバタさんはフッといつものように笑って言う。
「様子から察するに、マキナの味覚はザジと同様に辛党だったらしいな。とりあえず見た目こそ刺激的ではあるが、ちゃんと食えるレベルの辛さだから大丈夫だぞ」
ま、まぁそこまで勧めるんなら一口ぐらいは……。それにマキナは平気で食べてるんだし、多分相当辛いのは確かだけど、流石に気絶する程ではないだろう。そうやって意を決した私達は一斉に麻婆豆腐を食して…………口からレールガンが発射された。
しかし……驚くほど美味しかった。口が水を求めているのに、自ずと手がレンゲを動かして次の一口を入れてくる。もっと、もっと! と、本能が次の一口を求めてくる! 辛さの中にあるうま味が舌を虜にしてくる! 食べれば食べる程力が湧き上がって来て、汗が滝のように流れ出てきた! さっきからマキナががっついている理由がよくわかる、この麻婆豆腐は至高の一品だ! だけど……元々辛党じゃない私は、一皿分食べきった頃には辛さで舌が痺れてしまい、しばらくの間言葉が言葉にならなくなった。
「らめら……うはふはられらい……!(だめだ……うまくはな
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