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フリージング 新訳
第33話 Goodspeed of the East 1
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子供の頃、流れ星を見たことがある。
それはとても綺麗で、すぐにお願い事をしなければならないと子供ながらに考え、その時は確か「カズハに組手で勝てますように」とお願いしたのだ。

そして、今俺は再び流れ星を目にしている。それは本物ではないけれど、速度そのものは流れ星のソレと同レベルだ。

「ハァッ??」
「ゼアァッ??」

眼前に迫り来る刃に合わせて、グラディウスを振るう。しかし、その剣尖が届くことはなく、再び相手の刃が見えなくなる。

ーどこだ、どこに消えた??

周囲を見渡しても、相手の姿は見当たらない。度々どこかを通る音が聞こえてくるが、きっとそれすらもアテにはならないのだろう。アーネットも、サテラも、ましてや自分でさえ届かない、速度の領域に彼女はいるのだ。

「っ!後ろか??」

グラディウスを逆手に持ち、背中へと回すと神速の攻撃がぶつかり、体を宙に浮かせた。態勢は悪いが、今のを防がなかったらもっと酷いことになっていただろう。その証拠に、グラディウスに亀裂が入っている。
再びその姿が消え、殺気が周囲に充満する。それが一箇所ならば問題ないのだが、全体に広がればどこにいるかも分からない。

どうしてこうなったのかは、順を追って話していこう。


***************


「え、イーストジェネティックス…ですか?」

先日の戦闘から数日が経ち、カズトの体のサイズも元通りに戻った頃のこと。つまりはほんの数日前だ。
学園長に呼び出されて言われたのは、イーストジェネティックスに行け。端的に言えばそういうことだった。

「あの、いきなりどういう?」
「先日の身体的な問題を解消、または解析するために、イーストジェネティックスにいる、ある科学者に協力を仰ぐためです。」

もっともらしい理由を並べているが、おそらくは国同士の政治的な問題だろう。
世界でただ一人の男のパンドラ。それを独占されるのは、面白くはないだろう。
だからカズトを解析の名目で解剖しようと言うわけだ。
だが、ここで行かないわけにもいかない。自分のことを一番知りたいのは、自分自身なのだから。

「わかりました。そういうことなら。いつ行くんですか?」
「今からです」
「……今からですか?」

ということで、カズトはイーストへと向かったのだ。


イーストはカズトのホームであるウェストとは違い、どちらかと言えばアウェイのような場所だ。だから、知り合いもいないので、どうしてようかと手持ち無沙汰になっていると学園長がこちらのお偉いさんと話している間、イーストを探索していてもいいと言われ、フラフラと園内を歩き回っている。ウェストも豪勢というか、やはり恵まれた人の来る場所といった雰囲気である。自分がいるのは場違いな
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