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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第25話 「疾風vs武神」
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距離と攻撃リズムを作り出して保っている。

(だとすると戦い方は2つ。この土俵でシャルルを上回るか、リズムを崩して隙を作るか。・・・後者の方が俺向きか。)

方法は簡単。シャルルの攻撃を射撃か格闘のどちらか一つに絞らせればいい。では、追い縋るシャルルを射撃で撃ち墜とすのとゼロ距離射撃をいなして近接戦闘で勝るのではどちらを選択すべきか?

(・・・これも考える必要はない。明らかに後者の方が楽に決まっている。)

零自身距離を問わずに高水準の戦闘ができると自負しているが、それでも好みや得意分野は存在する。日頃から束、IS学園入学後は千冬と鍛練しているのだから近接戦闘の方が慣れているのだ。そうと決まれば話が早い。あとは衝動に身を任せるのみ。

「・・・なあ、シャルル。」
「ん?何かな?」
「・・・死ぬなよ。」

その言葉がシャルルに届くのと同時に零はシャルルの目の前に立っていた。シャルルがそれを認識するより先に《武神》は漆黒に染まり、『ブレッド・スライサー』が振り下ろされる前に強烈な右ストレートがシャルルの腹部に直撃した。

「ぐふっ・・・!」

吹っ飛ばされたシャルルだったがスラスターを全開にして噴かすことで地面への激突は免れた。しかし安心したのも束の間、満面の笑顔で殺気を振り撒く怪物が眼前に迫っていた。シャルルは横に転がって彼の追撃を間一髪で回避、『ヴェント』を即時展開して放つ。回避不可能な対応速度。しかし、今度はシャルルが驚く番だった。

「・・・え?」

なんと、零は迫り来る弾丸を拳で弾き飛ばしたのだ。対IS装甲用の特殊な弾丸のため、普通ならそんな乱暴な対応をすれば手の甲の装甲は砕け散る。しかし、シャルルが見る限り彼の装甲に損傷はない。弾き飛ばした衝撃で弾丸の炸薬が爆ぜるが、その程度では零の突進を止めるにはあまりにも不十分だった。

「おらぁ!」

元々無理な体勢から放った攻撃を想定外の方法で対処されたのだから回避や防御に気を回す余裕がなかった。シャルルは成す術もなく零の怒濤の連続攻撃を受ける。

「なんっ、で・・・!?」

武具を用いずにただ殴打を繰り返しているだけなのに、見る見るうちにシールドエネルギーが減っていく。徒手空拳で攻撃されているにしては明らかに異常な削られ方である。しかし、今はそんなことよりを気にするよりもこの状況を打破する方法を模索するべきだ。

「このぉ・・・!」
「甘い!」

『デザート・フォックス』を展開して狙いをつけずに乱射しようとするシャルルだったが、零はこの挙動を読んでいた。零はシャルルが引き金を引く前に彼の手に裏拳をかまし、シャルルの手から『デザート・フォックス』を弾き飛ばす。この瞬間、勝者は決まった。




「スゴいね、零。こんなに強いと
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