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人柱
2部分:第二章
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たうえでそれを察した。
「大江の祟りであるか」
「そうではないかと考えます。この度はあまりにも奇怪な様子故」
「そうだな。それではだ」
 頼之はここまで聞いて話して。一つの決断を下すのであった。
「さすればだ」
「どうされますか?」
「鎮める」
 彼が下した決断はそれであった。
「鎮めるのですか」
「大江は出家していたな」
 彼の記憶にある限りではそうであった。この時代では出家することはよくあったことだ。だから為五郎も心を入れ替えた時にそうしたのである。
「はい、確か」
「さすればだ。僧だ」
「僧ですか」
「左様。早速呼ぶ」
 それも決めた。
「都から高僧をな。その祈りで祟りを鎮めてもらおう」
「そうですな。それが宜しいかと」
「そういうことじゃ。ではすぐにだ」
 彼は己が知っているその僧を呼ぶことにした。すぐに文をしたためて都からその僧を呼んだ。僧は頼之の前まで来るとすぐに述べた。険しい顔で。
「ここに呼ばれた訳はわかっております」
「まだ何も言っておらぬが」
「いえ、国に入った時から」
 その険しい顔をそのままにしての言葉であった。

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