第3章 リーザス陥落
第56話 教会で待つ少女
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振り回し、吹き飛ばした。
「二式ショウキ!」
その後、衝撃波が駆け抜けた瞬間、まるで紙くずの様にヘルマン兵が吹き飛んできたのだ。
「ふん……」
「殆ど一掃出来たみたいだね。それにしても、こんなにあっという間に敵が減るなんて……?」
出てきたのは、2人の男。
異国風の身成の金髪の男と青の下地に銀の鎧を身に纏っている茶髪の男だった。ユーリは、片方の男は身に覚えがあった。
「お前は……」
「む? ……成る程。貴様が参戦しているのであれば、あいつらの敗走ぶりも納得出来るものがあると言うものだ」
男は、鞭の様に撓っている、赤い槍を身の内に戻すと、薄ら笑っていた。片方の男は、首を軽く傾げると。
「どうやら敵ではなさそうだね。君の知り合いなのかい? 清」
「ああ、以前コロシアムで一戦交えた事がある男だ」
「……久しぶりだな、神無木」
ユーリは、臨戦態勢を解くと軽く会釈をした。この男とは、かつてリーザスのコロシアムで戦った事がある。あの時より随分と腕を上げている様だ。
「あの人は……」
かなみも身に覚えがあった。
ユーリとランスを監視している時にあの戦いも目にしているのだ。そして、先ほどの異形な業も。
「ふぅ、ヘルマン側じゃない、って事は確かなようね」
志津香も、ユーリが警戒を解いているのを理解し、肩の力を抜いた。先ほど吹き飛ばしてくれた敵が恐らくこの辺りにいた最後の者達だった様だ。
「た、助かりましたですかね……、むぅ、油断大敵でしたです! ありがとーですかねー」
「どうも、危ない所を……」
「中々やるね、アンタ達。助かったよ」
ミリや、トマト。ランも其々礼を言い頭を下げていた。それ聴いて軽く手を振る。
「いや、たまたまアイツ等と戦っててただけだ。礼を言われるまでもないよ」
「ユーリ、お前が敵を減らしたおかげで、大分早くに殲滅が出来た。感謝する。……物足りない所もあるが、な」
「……相変わらずだな。元気そうで何よりだ。お前達が抵抗軍なのか?」
ユーリがそう聞くと、清十郎は頷いた。
「ああ、偶然立ち寄ったこの町が突如戦場と化してな。そこに居合わせたんだ。……正直、ヘルマンとやらには相容れなかった。だから、オレはこちら側にいる。……お前とまた戦えるのなら、ヘルマン側でも面白かったかもしれないな」
ニヤリと笑ってそう言う清十郎。それを聴いて軽くユーリは苦笑いする。
「……再戦なら、受けてたつ。と言いたいが 今は勘弁してくれ。色々と大変なんでな」
「冗談、だ。この町では世話になった者達もいる事だしな。解放戦をしているというのなら、協力しよう。目的は一緒の筈だ」
清十郎も軽く笑い返し、刀を鞘に仕舞った
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