第3章 リーザス陥落
第56話 教会で待つ少女
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を察すると指をさしながら突撃する。
「お、お前ら!!」
「ち、ヤッちまえ!!」
シィルの抑えも当然、聞かないランス。当然その大声に気付かないはずもなく、ヘルマンの大男達はこちらに気がついた。数は目算10人程度。家屋の影にまだいるとしたら、それ以上とも考えておいたほうがいいだろう。
「報告によれば 敗走したヘルマン軍、残存部隊は、確か12隊だったな……」
ユーリは、ゆっくりと剣の柄に手を伸ばす。
「ええ。リーザス軍の人たちに確認したけど、間違いないわ」
志津香も、ユーリの言葉に頷いた。ユーリは、連中に睨みを効かせると、握る力を上げた。
「……11になったな」
「ええ……」
ユーリの斬撃が、迸り、志津香の炎が敵を翻弄する。先手をとった解放軍は、瞬く間にヘルマン軍の部隊を圧倒した。
「がっはっは! オレ様、最強!」
「あぅ……、いきなりで お、驚きました……」
「私のチューリップの方が最強よ!」
ランスは、意気揚々とチューリップに再び乗り込み、先を行く。こう言う市街戦では、死角が多く圧倒的な火力を誇るチューリップでも、手を煩わす事はある。接近されてしまえば小回りが効かない為、当然だろう。だが、ランスが選出したこの精鋭部隊を侮るでなかれ。巨漢であるヘルマン兵たちをあっという間に殲滅したのだから。
「はっはっはー! ユーリさんとトマトの2人なら、どんな敵でもイチコロですかねー!!」
「わたしだって、頑張ってるんですよー トマトさん」
「ま、ランはこう言う所でガンガン頑張らないと運気が減っていきそうだしな?」
「あーぅ……、ひどいですよぉ、ミリさん……」
快勝した一行は、きゃいきゃい、とはしゃいでいる。
「全く、もうちょっと周りに注意しなさい。何処から出てくるのかわかんないんだから」
志津香は、そんな3人を見て呆れつつも、叱る。ここは戦場のど真ん中。いつ、敵が現れても……。
「うわぁぁぁ!!!」
その時、
突如、ヘルマン兵らしき大きな影が現れたのだ。場所は、あの話している3人の傍の町角。
「ったく!! 言わんこっちゃないわね!!」
「ちぃっ……!」
「皆さんっ!!」
突然現れた連中に思わず身を固くさせてしまっていたトマトとラン。ミリは、まだ 体勢を立て直す事は出来ていたが、それでも危険なのは変わり無い。志津香は、魔法を。ユーリは、剣技を。かなみは、くないを。
其々、遠距離攻撃をしようとしたその時だ。
「ぐわぁぁぁ!!」
「ぎゃぁぁぁ!!!」
男たちの身体に無数の赤い何かが突き刺さり、断末魔の声を上げていた。
「犠血・蛇尖」
まるで生きているかの様にうねりながら、突き刺した敵をそのまま
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