第3章 リーザス陥落
第56話 教会で待つ少女
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だけよ。別に深い意味は……」
志津香は、言葉を濁しながらもそう答える。
やっぱり、ストレートに言うのは恥ずかしいものがある様だから。だが、ユーリが想っているのは別の事なのである。
「そう、か。……貫禄、出てるか……。うん。そう、なんだな。……なんだか良いもんだなぁ……貫禄。やっぱ、言われてみたら。……なぁ? たまに言ってくれないか? その単語、訊き慣れてないし、何よりカンフル剤になる」
「……って、アンタは ほんとどんだけ、気にしてんのよ! ここからだって大変なんだから、シャンとしなさい!」
「……へいへい(ちょっとくらい、良いじゃないか……、たまには……)」
志津香はそこまで言われて、ようやく理解した様だ。……貫禄と言う言葉、それは重みがある人間にしか使われない。風格や身に纏った威厳。ユーリはこれまでに色々とあったから、こそ、良いものだと想ったのだろう。っていうか、ちょっとくらい良いと思ってしまうのは、仕方ないのである。ユーリなので。……でも、ちょ〜っと 童顔+幼い思考のよーな気もしない事も無いのだった。
でも、やっぱり 戦いの前にリラックスは出来る。それは、目の前の彼女のおかげだろう。
「わたしも頑張らなくっちゃ……!」
志津香とユーリが色々と言っている時。話しに乗り遅れてしまっていた、かなみ。話しに入れてすらいなかったかなみは、今後の戦闘を想い、気を引き締めているのであった。
レッドの町中。
普段は、町の住人がこの路地も横行している筈で、今日を生きる生活をしているであろう。だが、今は違う。人一人おらず、建物は無残にもボロボロに破壊されていた。
「滅茶苦茶だな。ひでぇ事しやがる」
流石のランスも思わずそう言ってしまうほどだった。家の中も滅茶苦茶であり、人が住めるような場所じゃないから。
「……ひどい。絶対に許せないわ……」
かなみは、その破壊された家々がリーザスの城と重なって見えた様だ。あの時も、城門が破壊され、そして城内も破壊され、瞬く間に制圧されてしまったのだから。
「そこまで抵抗したのか……、あるいは ただの蹂躙なのか……。何れにしても、とっとと潰した方が良さそうだな」
ユーリは町の惨状を見ながらそうつぶやく。
ギルドの仕事でも、この赤レンガ作りのレッドの町に何度か足を運んだことはある。その時は、町の姿がこんな事になるとは思ってもいなかった。その時だ。
「くそっ! こんな時にあいつらまで出てくるなんて!!」
路地裏から声が聞こえてきたのだ。その感じは明らかに町の住人ではないだろう。
「がははは!!見つけたぞ!!皆殺しだぁぁ!!」
「ら、ランスさま!気づかれてしまいますよっ!?」
ランスは、それ
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