暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第56話 教会で待つ少女
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はランスだ。一番目立つ場所にたちたいと言う子供っぽい願望全開だったのだ。

「はい! がんばりましょう! 皆さん!」
「ヘルマン軍のヤツらなんか、ここで全滅よ! 科学の力、チューリップ3号の力! 思い知らせてやるんだから〜!」
「これまでの借りは、ここでぜ〜んぶ纏めて返してやるですかねー!! 勿論、本隊のほーもですかねー!」
「ええ、レッドの人達の為にも……! リーザスの為にも!」
「さぁ、腕がなるぜ!」

 其々が、武器を構える。如何にチューリップ3号が強大だとしても、それでも 油断をする様な者はここにはいない。

 志津香も、次の戦闘に少し後ろで自分の魔力を確認している様だ。時折 休息を入れているとは言え、今はチューリップ3号の力があるとは言え、早々に回復する訳ではないようだ。

「ふぅ……」
「だいじょうぶか? 志津香」

 横にいたユーリは、志津香にそう聞いた。軽くため息をしている志津香。その顔色はやはり 優れない様子だった。

「ええ。……初級から中級魔法は、問題ないわ。でも、流石に白色破壊光線を使うにはまだ、魔力が十分じゃないみたいね、でも 白兵戦は全く問題ないわ。あのバカにだって引けを取らない自信、あるし」

 志津香は、チューリップの上でバカ笑いしてるランスの方を見て呆れたようにため息を吐いていた。

「ま、こんな戦場でもいつもの自分でいられるのも、相当なもんだぞ? それは志津香達、カスタムの皆にも言えることだがな。……って言うか、一体お前らはどんな戦闘勘をしてるんだ、って思うよ」

 ミリは、元々剣士だが……、本業は薬屋。そしてトマトもアイテム屋だ。
 基本的に戦うことが主とする様な職業じゃない者たちが多いカスタムの面々。元四魔女の彼女達も、洗脳が解けてからは復興支援に力を入れている用だし、多少の訓練はしているようだが、本業である軍人に敵うか?と聞かれれば、首を縦には振りにくいものだ。……なのに、皆 ヘルマン軍にもリーザス軍にも引けを取らないその実力だ。

 これは、本当に正直、感服ものなのだ。何度でも思ってしまうのも無理はない。

「ゆー……、ユーリだって、同じじゃない。大体わたし達とそんなに歳、変わらないし。これまでだってそうだし、冒険者だって言うこともあるかもだけど、ユーリこそ、一体どんな経験をしてきたら、そんな貫禄持てるわけ?」
「………」

 志津香がそう言い終わった時、ユーリは志津香の目をまっすぐに見ていた。……志津香のその言葉を聴いて、何処か……じーん、としている様だ。

「な、なによ?」
「い、いや……その。……志津香。貫禄、出てるのか? オレ……」
「えー……、ま、まぁ、戦ってる時のユーリの姿は、その、アレだし? その……、色々と頼りになるからね? それ
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