第3章 リーザス陥落
第56話 教会で待つ少女
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ャーだけではなく、その傍で控えていたボウやリョクも流石に唖然としていた。
いや、誰がこんな攻撃を想像出来ただろうか? これまでの戦い、カスタム防衛軍の戦闘報告を訊いても、この様な戦い方はなかったのだから。
「………くっ、くく……」
この戦況を見て笑える者がヘルマン側にもいた。
勿論、魔人アイゼルである。
「なんだぶーーー!! あ、あれはなんなのだぶー!? いんちきだぶーー!! おおぅおっ!?」
1発、また1発と近くに砲弾が飛んできて、爆音と轟音とを道ずれに、最大の防御の壁としていたデカントが崩れ落ちた。
「これはこれは、フレッチャー殿の打った手が、尽く裏目に出てしまいましたね……ふふ」
「あ、あああっ! ぼ、ボウ! リョク!! 各隊を呼び戻すんだぶー!」
「で、伝令は出しておりますが、ダメです。敵軍の進撃が早すぎて、間に合いません!」
「間に合わんでは済まんのだぶーー!!」
それは仕方のない事だ。一般的に、体格が圧倒的に大きなヘルマン。その軍の装甲は大きく、そして重い。移動速度ともなれば、他国のそれより圧倒的に低いのだ。重装を好む軍制のせいとも、精錬技術の問題で、粗悪な鉄を使わざるを得ないためとも言われるが、現段階ではそれが致命的だった。
統制の失ったも同然の部隊が、瞬く間に蹂躙されたのだから。
「フレッチャー様! ここは1度引きましょう!! あの鉄の化物を率いている部隊が こちら側へ向かってきております。剣も矢も効きません。こうなれば、街中、狭い場所へとおびき寄せ、身動きをとれないようにする他無いと思われます」
「ぐむ、ぐぶぶぶ……」
逃げの一手、と言う事だ。その贅肉同様に無駄に多く、そして高いプライドが一瞬だけフレッチャーを躊躇させたが、もはやそうも言ってはいられない。敵側は直ぐ傍にまで近づいているのだから。
そのまま、弟子達に担がれる形でレッドへと逃げるフレッチャー。
こうして、戦場は場所を変えるのだった。
〜レッドの町〜
ランスが選んだ精鋭部隊が町へと侵攻を進める。
そして、その中心がチューリップ3号だ。その破壊力は圧巻の一言。今回の戦争でこれ程までに楽だった戦いがあるだろうか? と思える程 する事が無い。志津香やマリアのチューリップ3号、そして ユーリの飛ぶ斬撃と言った、遠距離系の攻撃以外する事が殆ど無いのだ。
「がははは! オレ様についてこーい! 一気に殲滅するぞー!」
チューリップの上に乗っているランスは、高らかに宣言する。
先頭なのは、殆どチューリップ3号であり、搭乗しているのはマリア、更に攻撃やその回避をしているのもマリア。……ランスは何もしてないのだが、そこ
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