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SecretBeast(シークレットビースト)
「この世ならざる者」
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ら何が出てくるのか。もはや一行は嫌でも恐怖を感ぜざる負えなかった。

 しかしことは彼らの想像を超えていた箱から出てきたのは、松明を持った美少年だった。その顔はどこか人間離れしている。ニコニコと仮面を貼り付けたような気味の悪い笑い顔の美少年だ。
 その美少年は、一行に声の聞こえるところまで近づくとくすっと笑ってこう言った。
「やあ、地上のみなさん。お越しになるのを待ち望んでおりました。今宵は世界の終焉のために我らが神が皆さんに盛大なセレモニーを開きたいということです」
「セレモニーだと?世界が終わろうとしているのになにを祝福するのだ!」
 豊村は怒気を帯びた声で言った。
「それは、地球の先住民である我々が我々のために君たちの地上に殺戮をもたらし地上にまた繁栄するための祝福ですよ」
「殺戮だと?」
「おやあ?あなたがた人間は、戦争というものをしないのですか?自分の豊かな大地を探すのにそこにくらす害虫は除去すべきでしょう?」
「きさまっ!」
「怒らないでくださいよ、私はあなた方に私たちに対抗するために4000年ほどいや一万年くらいの時間を差し上げたのですよ?これ以上にフェアな戦いはないでしょう。
未熟で愚かな種族を消し去るのはたんなる破壊です。しかしこの一万年であなたがたもそれ相応の文明をもったと思うのですが、いわばこれは世界と世界の戦いということです」
「地球の先住民たる我々がと言ったな。どういうことだ?」
「言葉の通りの意味です。はるか以前から地球で栄え宇宙を支配していた我々がまたこの世界に降り立つということです」
「つまり過去にはおまえたちがこの世界の主人だったと?」
「その通りです。実に物分かりがよろしい。ですがこの世界から立ち去るときに滅しておかなかった、神々がどうやらそうとうな力をつけているようで、この箱を門として周囲へ外から出さない結界のようなものが張られている」
「ああ、世界中がこの世の終わりになんとしてでもと力を合わせている」
「そうか、どうも自分たちの立場のわからないものたちが人間どもに力を与えているようだ。我らが神は、その上で憤怒を隠しながらもこうしててめえらと対等な殺し合いをお望みということだ。いっとくが俺はただの使いっ走り、だがてめえらくらいなら5秒あれば片付けられる」
「やってみればいい、無理だから」
 ズン! 少年の顔が笑い顔から一転して憤怒の形相になりほとんど衝撃波に近い殺気がみなを襲った。
「威勢だけはいいんだな、じゃあワンゲームスタートと行こうか。ゲームその一、俺を倒せ、時間は無制限。たとえ十億万年かかっても俺を倒せれば、ゲーム終了だ。最大勢力で来いよ、じゃねえとこんな結界すぐにぶち抜いちまうぞ?それはこっちとしても困るんでな」
「さあ、みんな行くぞ賢治、行け、一番手はお前だ」

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