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RSリベリオン・セイヴァ―
第五話「女子高なんてナンボのもんじゃ!!」
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夏をチラッと見てからそう呟いた。
――このバカ姉貴、テメェ教員なら連絡ぐらいしろよ?
教師なら遅れてくる生徒に連絡するのが筋だというのに、それもしないとは……心底、教員の器とは言い難いことに一夏は再びため息をつく。
「すんません! 遅くなりました!!」
だが、唐突にも遅れてきた例の男子生徒が現れた。
自分たちとは、ましてや一夏の着ている制服とは違って、黒く彩られた制服にモールの付いた肩章、左右に分けられた六つのボタン。それはまさにコスプレに近い軍服を思わせるかのようなデザインである。
「遅れてすみません! こちらに入学することになった鎖火狼です……」
「遅いぞ? はやく空いた席に座れ……」
千冬の冷たい口調に一瞬ビクッとするも、狼は大人しく空いた席に座った。しかし、彼が来ても周囲の女子たちは一夏のように興味深い目で見ることはなかった。
何故なら、彼は一夏のような「美少年」ではないからだ。彼のようにクールな顔立ちでもなければ、そこまで顔が整っているわけでもない。
どこにでも、一人はいそうな冴えない、やや幼さの残る青年であった。逆に周囲から怪訝な視線が向けられるはめになったは言うまでもない。
全員が集まった後、クラス一人一人が自己紹介を始めていく。
――はぁ〜早く帰りたい……
そんな俺はボンヤリと席に座り続けていると。
「……君! 鎖火君!?」
「……え? あ、はい!」
副担任が何度も俺を呼び続けていることに気付いた。
「ごめんね? 今、「あ」から始まって丁度「く」の鎖火君の番なの。自己紹介してくれるかな?」
「あ、はい……」
席から立ちあがり適当に自己紹介を始めた。
「鎖火狼です。わけあってISを動かせました。皆さんよりも年上で成人ですが、そこは遠慮なく親しく接してくだされば結構です……」
と、俺はそれだけ言って席に座った。なんとも面白みのない自己紹介だと、生徒たちはつまらなそうな顔を俺に向けた。
「あの、以上ですか?」
と、副担任。
「え? ああ……じゃあ、三年間よろしくお願いします」
これを最後に俺は自己紹介を終えた。

その後、俺は朝のホームルームを終えて一息ついた。しかし、廊下からは一夏という世界初の男性操縦者に向けて女子体の黄色い歓声が飛び交う。
「ねぇ? あの子がそうよ? 世界初の男性操縦士って?」
「私、声かけてみようかな……?」
「ところで……あの人誰? 見るからに年上って感じだけど?」
「織斑君と違ってフツーって感じだよね?」
「なんだか胡散くさー?」
同でいもいいようなことまで聞こえてきて、俺は心身ともに辛くなってきた。しかし、そんな俺の席に彼が歩み寄って来たのだ。
「あの……少しいいですか?」
「ん?」
織斑一夏であった。彼は、俺を年上として敬語を使って話しかけてくれ
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